連載 図説 公衆衛生・10
悪性新生物の現状と課題(Ⅰ)
安西 定
1
,
高原 亮治
2
,
川口 毅
3
1国立循環器病センター・運営部
2厚生省保険局医療課
3栃木県・保健予防課
pp.667-670
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205472
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わが国の悪性新生物による死亡数は,この10年間に年間平均約3,000人ずつの増加を示し,昭和50年には全国で約136,000人に達している.悪性新生物による死亡率は年齢が高くなるにつれて増加し,特に40〜60歳代の働きざかりの年齢層においては,死亡原因の第1位を占めている.
しかし,最近の医学,公衆衛生の急速な発展により,平均寿命は年々伸長しており,この人口の老齢化を考慮に入れた年齢訂正死亡率でみると,悪性新生物による死亡率は男では昭和40年頃から,女では昭和30年頃から減少している.これは,主として胃がんと子宮がんによる死亡率の減少によるものであるが,一方,この数年は肺がんによる死亡率の増加が問題となっている.
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