発言あり
生涯教育の媒体
け
,
ま
,
や
,
ふ
,
こ
pp.671-673
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205473
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社会科学的素養による判断力の涵養を
かつては公衆衛生の標的が,結核を中心とする慢性伝染病予防,急性伝染病対策,母子保健等にしぼられていたが,今や,わが国では人口の老齢化に伴う疾病の質的変化,医療技術の革新に伴って,公衆衛生に対する国民の要求もますます増大しつつあるといえる.したがって,住民のニーズによって公衆衛生の志向が定まってくるといわれているが,過去の教育を受けた公衆衛生従事者では,とてもこれに対応できるはずもない.すなわち,増大しつつある住民のニーズとこれに対応すべき公衆衛生側の供給に限度があること,さらに国民の社会生活についての権利意識の増大とともに,この問題はますます複雑化するものと考えられるのである.
今までの公衆衛生は事実上,医師,保健婦が中心であったが,公衆衛生の内容の変化とともに,臨床検査技師,放射線技師,栄養士,歯科衛生士,理学療法士,作業療法士,言語療法士などの必要性が痛感されるようになってきた.今日の医療,公衆衛生の中にこれらの職種が望まれていることは,いわゆる予防からリハビリテーションまでを含む包括医療が進捗しつつあることを示すものであろう.
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