原著
L-リジン,DL-スレオニン補給学童発育実験
福井 忠孝
1
,
高尾 朗
1
,
村上 剛
1
,
斎藤 克己
1
,
富永 冨貴代
1
1徳島大学医学部公衆衛生学教室
pp.583-586
発行日 1961年10月15日
Published Date 1961/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202451
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
近時 国民全般の食糧事情の好転に伴ない,広く学校給食も実施され,学童の体位は著明に改善されて来た1)が,未だ文化的恩恵に浴さない山間僻地では学童の体位は遠く全国平均に及ばない2)現状である。かかる地域では栄養状態は悪く,中でも蛋白質特に動物性蛋白質の摂取量は少なく23,従つて動物性蛋白質に多く含まれているリジン,トリプトファンメチオニン等のアミノ酸が制限因子と成り易く各種必須アミノ酸の効果的比率4)5)6)の均衡が崩れアミノ酸利用が悪くなる。
そこでわれわれは徳島県山間学童を対象としてL-リジンおよびDL-スレオニンのアミノ酸を1年間補給し,身体発育におよぼす影響を検討した。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.