研究
婦人科領域におけるスレオニン第一鉄(スレオン鉄)による貧血治療の経験
小南 吉男
1
,
白井 翠
1
Yoshio Kominami
1
1三重県立大学医学部産婦人科教室
pp.311-315
発行日 1968年4月10日
Published Date 1968/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203868
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はじめに
日常私達が遭遇する貧血は大部分が鉄欠乏性貧血で,鉄欠乏性貧血の治療に鉄剤が著効を示すことは周知のことである。経口鉄剤として,胃腸障害を始めとする副作用が少なく,吸収のよい点から,グルクロン酸鉄,グルコン酸鉄,オロトン酸鉄,フマール酸鉄,コハク酸鉄等の有機鉄剤が使用されるようになり,鉄の吸収,利用率の良否,副作用等について検討がなされている。今回,有機鉄剤の一つであるスレオニン第一鉄を使用する機会をえたのでその成績について報告する。
スレオニン鉄はアミノ酸であるスレオニンと鉄との錯化合物で,図1のごとき構造式をもち,スレオニン鉄錠(スレオン鉄錠—田辺K.K.)1錠中スレオニン第一鉄100mg,鉄量14.7mgを含む。
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