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特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
膜一般に作用するもの
フロリジン
Phlorizin (phloridzin)
武居 能樹
1
Yoshiki Takesue
1
1名古屋大学環境医学研究所神経感覚部門
pp.507-508
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904654
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■特性
リンゴ,ナシ,サクラなどのバラ科果樹の樹皮や根皮などに含まれる配糖体(フロレチン-2'-β-D-グルコシド)。分子量,436.41。通常,2分子の結晶水を持つ針晶(分子量,472.43)。融点,110℃。甘い(後味は苦い)。沸騰水,アルコール,アセトン,アルカリ性水溶液に易溶。室温で1lの水に約1g溶ける。エーテル,クロロホルム,ベンゼンには不溶。
フロリジンのアグリコンであるフロレチン(phloretin)はフロリジンと対比的に使用されることが多いので,これの性質も記しておく。分子量,274.27。260〜270℃で分解。アルコール,アセトンに易溶。クロロホルム,ベンゼンに僅かに溶ける。水には難溶だが,アルコールの添加で水への溶解性は増加する。弱酸(pK〜7.3)。pHによりケト-エノールトートメリーを示す。従って,紫外吸収スペクトルもpHにより大きく変化する;ケト型:λmax284mμ,εmM12.5;エノール型:λmax320mμ,εmM21.3。
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