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I.緒言
近年,学童近視の増加は極めて著しく,さきに,これが治療として,低周波電流を応用し,ある程度の好成績を収めることが出来た1)2)3)。かくして,多数の近視,とくに学童近視の患者に接しているうちに,これらの中には,偏食の強い患者が甚だ多いことに気がついた。たとえば,兄弟が正視で,その子のみが近視の場合,その子の偏食が強く,逆に,兄弟が近視で,その子のみが正視の場合は,兄弟が偏食しても,その子はしないというような例を度々経験した。そこで,学童近視患者の偏食調査を試みたのであるが,大体の傾向として,獣鳥肉類,魚介類などの嫌いな者が多いように思われたものの,自覚的調査の性質上,どこまで信悪性を置き得るかは問題であつた。ただ,とくに注目に値したのは,偏食者は,結局,副食物の摂取が少なくなり,その結果,主食としての米食,またはパン食を過食する傾向のうかがわれたことで,この傾向は,ある程度まで事実と考えられたのである。
一方,省みれば,第2次大戦中,ならびに戦後,一旦減少していた近視が再び増加しはじめたのは,昭和25年頃からで,高校生の近視の如きは,5年後の昭和30年には,25年に比べて,実に2倍にも達したのである。
It has been observed that the myopic childrens have a tendency to take a biassed diet. The rice is a chief article of food, in this country, the peoples are liable to deficiency of lysine and threonine.
20 cases of myopic childrens in a primary school, were administrated with L-lysine 500mg and DL-threonine 250mg, daily, during 6 monthes. The untreated 20 childrens progressed 0.01D., on the contrary, the treated 20 childrens improved 0.39D. in the degree of their myopia. (mean figure).
25 cases of myopic chidrens in this hospital were also treated with the same method dur-ing a year. The increase of myopia was 0.55D.
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