特集 第2囘日本公衆衞生學會研究發表抄録
〔第2日〕11月13日(土)午前の部(9-12時)
(30)乳糜血清と梅毒沈降反應特にアミールアルコール前處置法に就て
小林 唯次
1
,
秋山 昭一
1
1神奈川縣衞生研究所
pp.159-160
発行日 1949年1月25日
Published Date 1949/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200412
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終戰後當研究所に於ては梅毒血清反應の檢査が漸増の傾向にある中に,第二次大戰前及大戰中に比し,乳糜血清の増加が注目された。元來乳糜血清は沈降反應重層法を以てする時は其成績の判定困難なる事は衆知の事實である。茲に於て余等は乳糜血清の處置に關し種々實驗した結果,些か得る所があつたので其の結果を抄録する。
先づ各種有機溶媒を用いてその乳濁除去を試みた結果,アミールアルコール(以下AAと呼ぶ)による處置が最も優秀であつた。即ち乳糜血清の一定量を沈澱試驗管に採り之れにAAを1/3乃至1/4を注加し清拭せる拇子腹にて塞ぎ,強く上下に振盪すること十數囘後,3000廻轉15分乃至20分間遠心沈澱を行う事に依つて最下層に透明なる血清を分離することが出來る。この血清層より毛細管を以て吸取し型の如く沈降反應重層法(村田氏法)を行うのである。此の方法によつて陽性血清陰性血清のAA處置前處置後のものに就て實驗せるに,其の結果に於て殆んど一致の成績を得た。更に定量的測定沈降價の相關關係及AAによる非特異反應等を比較實驗したるに何れも其の影響を受けぬ事を認めた。
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