特集 第2囘日本公衆衞生學會研究發表抄録
〔第2日〕11月13日(土)午前の部(9-12時)
(追加)
(27)のb 昭和22年23年度に於ける日本腦炎流行發現に關する疫學的考察(前年度流行の影響)
北岡 正見
1
,
三浦 悌二
1
1豫研
pp.156
発行日 1949年1月25日
Published Date 1949/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200410
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昭和22年には人腦炎が西日本の一部に發生したが,23年には主として東日本に發生した。22年に馬腦炎の流行のあつた高知香川鳥取岐阜千葉等では23年に流行が少く,昨年流行の少なかつた靑森,岩手に大流行し北海道にも流行が起つた。22年の罹患率を縦軸に,23年のそれを横軸にとつて縣單位に圖示すると人も馬もそれぞれ双曲線上に位置する。しかし山形,秋田,宮城縣下の馬腦炎は趣きを異にする。これはこの地方へ毎年多數の幼馬が購入されて來るためと思われる。人の罹患率が人口1萬につき0.5以下の場合はこの關係は明らかでない。それは撒布される病毒量が少い爲と思われる。
馬の罹患率は人よりも100倍も高く遙かに發病し易いので,撒布病毒量が充分でない時には馬にのみ流行が認められ,人には起らない。病毒が張くなれば先づ馬に流行し,ついで人に流行する。もし馬が前年の流行で免疫になつていれば翌年は病毒が強くても人にだけ流行し,もし人も馬も免疫となつていれば新しく移入して來た馬にだけ流行することになる。
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