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あとがき
西田 茂樹
pp.88
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101489
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いわゆる健康食品やサプリメント(以下「健康食品」)には,私が公衆衛生分野に入った頃には既に様々なものがあり,それ以降現在に至るまで,次々と新しい製品が産み出され,流行しているように感じます.そして,それらの健康食品の流行には無理もない面もあるようにも感じています.公衆衛生分野で勧めている健康維持法は,タバコを吸うな,禁酒日をつくれ等禁欲的で,さらに多種類の食品を摂れ,運動しなさい等大変面倒であり(?),一寸敬遠したいようなところがあります.ところが健康食品を使えば,1か月数千円程度の出費で簡単に健康が維持される(?)わけで,効能を信じている一般市民がこれらに頼るのも仕方がないような気もします.昔,公衆衛生関係の某研究所のお酒好きの職員の間で密かに健康食品の一種が流行っていたことがありました.専門家でもこんな状況ですから,一般市民の間で健康食品が流行るのも当然の現象かなと思います.
ただし,健康食品やサプリメントについては,効能や正しい使い方を理解して利用しないと,役に立たないどころか,場合によっては健康被害を起こすこともあります.そして,今回先生方にご執筆頂いたお原稿を読んでいて,功能や使い方,副作用等について,実はわれわれ公衆衛生従事者も十分には理解していないのではないかと危惧を抱きました.本号を是非ご精読頂き,正しい知識を啓蒙して頂ければと思います.
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