特別寄稿
「自殺って言えなかった」.自死遺児の心の痛みと回復
西田 正弘
1
1あしなが育英会
pp.679-682
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100946
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あしなが育英会とその活動
あしなが育英会は,病気や災害(交通事故を除く),自殺で親を亡くした(あるいは重い障害があり働けない親をもつ)高校生,大学生,専門学校生に奨学金を貸与し,経済的な支援をするとともに,「奨学生のつどい」を通して親との死別による心の痛みや傷をケアする民間団体です.15年間で1万4,638人が奨学金(貸与累計129億8,800万円)を受け進学しました.財政は政府からの補助は一切なく,「あしながさん」と呼ばせていただいている市民からの定期的な寄付と,毎年春秋の街頭募金,企業労組など多くのみなさんの寄付だけで成り立っています.
つどいは年1回のプログラムですが,阪神大震災以降,日常的ケアの必要性を痛感し,99年に多くの支援を得て神戸市東灘区に「レインボーハウス(虹の家,図1)」を建設しました.現在は小学生から高校生まで,遊びや語り合いのプログラムを通した,日常的なサポートを行っています.
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