連載 衛生行政キーワード・56
自殺未遂者ケア・自死遺族ケアについて
成重 竜一郎
1
1厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課
pp.544-545
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101601
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自殺に至る要因は単一ではなく,心理的要因,文化的要因,社会的要因,経済的要因など様々な要因が複合的に作用していると考えられており,自殺対策は医学領域にとどまるものではないが,その基本的な対策を立てる上では予防医学における一次予防,二次予防,三次予防の概念が応用されている.自殺における一次予防に当たるのは,心の健康づくりや普及啓発活動の推進等,自殺の危険性を低くするための対策であり,二次予防に当たるのは,相談体制や精神医療体制の充実等,自殺の危険性が高まっている状況に対する早期発見・早期対応のための対策である.そして,自殺における三次予防に当たるのが,自殺企図後の更なる自殺を防ぐための対策であり,その中心となるのが,自殺未遂者ケアおよび自死遺族ケアである.
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