連載 日本学術会議環境保健学研究連絡委員会主催公開シンポジウム 環境と健康の危機管理・4
医療における安全対策
垰田 和史
1
,
西山 勝夫
1
,
吉川 隆一
1
1滋賀医科大学予防医学講座
pp.74-77
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100795
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「安心と安全」は患者が医療機関に期待する最も基本的な事柄であり,医療機関としても日々その実現に努力している.しかし,現実には昨今のマスコミ報道にあるように,患者の取り違えや医療機器の誤操作などによる事故が後を絶たず,医療や医療機関に対する「安全神話」は大きく崩れつつある.大学病院も例外ではなく,某大学病院では集中治療室で治療中の患者が外部からの侵入者によって殺害されるというショッキングな事件さえ発生している.
なぜ病院は安全な場所ではなくなりつつあるのか,どうすれば再び安全な場所に復活できるのであろうか.まず,医療の現場でどのような変化が生じているのか,安全を脅かしている事柄とはどのようなものなのか,そして安全を守るためにはどのような対策がなされなければならないのか等の点について,本学大学病院での取り組みをもとに考えてみたい.
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