連載 米国の知的障害者サービスと脱施設化に学ぶ わが国の痴呆性高齢者対策への警鐘・4
米国の知的障害者対策の歴史的展開(下)
武田 則昭
1
,
八巻 純
2
,
M. P. Janicki
3,4
,
T. Heller
2,3
,
末光 茂
1
,
江草 安彦
1
1川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学科
2University of Illinois at Chicago, College of Applied Health Sciences, Department of Disability and Human Development
3University of Illinois at Chicago RRTC-ADD
4University at Albany, Center on Intellectual Disabilities
pp.68-72
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100794
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前号にひき続き,本稿では,米国の知的障害者対策の歴史的展開,すなわち,脱施設化を生んだ背景である権利擁護活動,北欧から導入されたノーマライゼーションの原理,そしてケネディ大統領に端を発する連邦政府の知的障害者施策への介入の様子などについて紹介する.
脱施設化の背景
1960年代後半から起こった米国知的障害者サービスの大転換は,以下の3つの背景,第一は全米知的障害児(者)のための親の会が設立され,知的障害児(者)への権利擁護運動が緒についたこと,第二は北欧で障害者援助の原理として起こったノーマライゼーションの理念が米国に紹介されたこと,第三は連邦政府の知的障害者サービスに対する関心が高まったこと,が挙げられる1).以下,それぞれについて述べる.
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