視点
食の安全・安心に向けて
上田 清司
1
1埼玉県
pp.162-163
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100542
- 有料閲覧
- 文献概要
私は埼玉県知事として,あらゆる行政分野に,安心・安全を確保する思想を貫くことを哲学の一つとして掲げております.そしてこの哲学に基づいて「日本一の安心・安全立県宣言」を行い,県民の生命と財産を守る施策に積極的に取り組んでいます.特に食物は,人の生命と健康の源であるので,第一に安全でなければならず,生産から消費にわたり一貫して食の安全を確保することは,きわめて重要であると考えています.
しかしながら,一昨年のBSE(牛海綿状脳症)の発生以来,原産地の偽装表示や無登録農薬の使用など,食の安全・安心をおびやかす事件が相次ぎ,国民の食品行政や食品業者に対する信頼が大きく揺らいでいます.また,食品アレルギーや輸入食品の増加,遺伝子組換え食品などの新たな食品製造技術の開発などにより,食に対する不安は大きく高まっています.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.