連載 場面・状況別で見る、訪問看護の臨床判断・第6回【最終回】
在宅療養における鎮静
佐藤 文俊
1
1ケアプロ訪問看護ステーション東京 中野ステーション
pp.60-66
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134170450300010060
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慎重な判断が求められる
鎮静の導入は、終末期ケアにおいて療養者の苦痛を和らげる重要な手段です。ただし、その決断の際は倫理的側面に十分に配慮しながら検討を進める必要があり、療養者本人だけでなく、家族にとっても大きな負担となります。特に在宅で療養する場合、家族が介護の中心となり、精神的・身体的な負担が増す中で、鎮静の導入を巡る葛藤や不安に直面するというケースも少なくありません。家族は「これでよいのか」と自問自答しながら、「療養者の苦しみを軽減したい」という思いと向き合い続けます。看護師には、鎮静の適応を確認しながら、療養者と家族双方に寄り添い、その意思や不安に丁寧に対応することが求められます。今回は、鎮静を導入する際に必要な要件や家族への支援のポイントについて、具体的に解説します。
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