日本看護診断学会・第30回学術大会報告 【シンポジウム・2】
看護管理者が語る実践を拓く看護診断の新たな可能性—実践の場をつなぐ看護診断
箕浦 洋子
1
,
菊池 麻由美
2
Youko Minoura
1
,
Mayumi Kikuchi
2
1関西看護医療大学
2東邦大学
1Kansai University of Nursing and Health Sciences
2Toho University
pp.59-60
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134130070300010059
- 有料閲覧
- 文献概要
このシンポジウムは学会設立30年の節目に,これからの看護実践への看護診断の貢献についてあらためて考えることを目的に企画された.看護診断用語(看護診断・看護成果・看護介入用語の全て)は看護実践を表現する,看護学の知に裏づけられた共通言語であり,専門職間に共通理解をもたらすツールである.現在,地域包括ケアシステムの導入に伴い病院は「急性期・高度急性期医療を担う病院」「急性期後・回復期の医療を担い在宅療養を支援する病院」に分化し,患者は病状に応じて病院を移動しながら医療を受ける.また,暮らしの場は自宅のみならず,特別養護老人ホームや介護老人保健施設,介護療養型医療施設,小規模多機能型居宅など多岐にわたるようになった.それぞれの場で院内看護・訪問看護・施設内看護が展開されており,いずれの場においても看護職は看護実践を導く思考(看護診断プロセス)をしている.看護診断は患者の移動に応じて継続的に実施される看護に貢献しているだろうか,していけるだろうか.
本シンポジウムでは地域医療を担う民間病院,急性期医療を担う特定機能病院(大学病院),自宅での療養を支える訪問看護ステーションの看護管理者に各々の場での看護診断の現状やそれぞれの立場で考える課題,夢や将来構想を報告いただいた.報告後に行われた参加者との具体的で活発な意見交換では次の内容が示された.
Copyright © 2025, Japan Society of Nursing Diagnosis. All rights reserved.