日本看護診断学会・第30回学術大会報告 【30周年記念座談会】
実践を拓く看護診断の新たな可能性—『チーム医療』に貢献する看護の専門性
佐藤 正美
1,2
Masami Sato
1,2
1日本看護診断学会
2東京慈恵会医科大学
1Japan Society of Nursing Diagnosis
2The Jikei University School of Medicine
pp.38-41
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134130070300010038
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日本看護診断学会の30周年を迎え,「実践を拓く看護診断の新たな可能性」について,チーム医療に貢献する看護の専門性の視点から考えてみたい.その前にあらためて,私と「看護診断」の出合いを振り返りたいと思う.
I. 私と「看護診断」の出合い
私が初めて「看護診断」を耳にしたのは,「POS勉強会」を作り勉強会や研修会を企画実施していた有志の一人の医師の発言からだった.その有志のメンバーはいずれも,日本POS研究会(後に日本POS医療学会と名称を変更)の会員であった.患者中心の医療を促進するために,POSの考え方を普及させたいという思いで自然発生的に生まれた医師や看護師,看護学校の教員などのメンバーであった.このメンバーの一人の研修医から,1988年に初めて「看護診断」という考え方があることを聞いた.第1回日本看護診断学会学術大会は1995年に開催された.したがって,私が初めて「看護診断」を耳にしたのは,その7年前のことだった.残念ながらその時,「看護診断」を探究したわけではなかったので,出合いというよりすれ違いという表現が適切であろう.
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