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チームアプローチについて
今回の5症例に限らず,“迷う”ときは一人で悩んでもなかなか方針は立てにくいので,多方面からいろいろな意見を聞くようにしたい。すると,自分と現場に合った方法にたどり着くことができるし,主科医,看護師,麻酔科医がチームとして挑めるようになる。まずは上級医に相談し,周囲を巻き込むところから始めよう。気をつけたいのは,麻酔科医の視点は他科や他職種には理解されていないことが多いということである。麻酔科医ではない人にわかりやすくリスクを説明し,チームワークを高めることが大切である。
各症例でも,準備として,時間が許す限り導入時のサポートとバックアップ体制を整えている。英国麻酔科学会Royal College of Anaesthesiologist(RoCA)の『重症成人患者の気管挿管ガイドライン』1)では,「円滑なチームワークを進めるためにはリーダーとフォロワーシップ(自発的にリーダーの方針に従うこと)の関係をはっきりさせることが重要」とある。日本ではなじみが薄いが,上司と部下の関係を超えてうまくチームとして機能するために,事前に役割分担を決めておくことが重要である。リーダーはチームメンバーそれぞれの役割を決め,一連の手技でポイントとなる行動や専門用語の意味を明確にし,フォロワーはそれに従う。役割分担を事前に決めることで個人への過重な責任負担を防ぎ,それぞれに期待されている役割を明確にできる。例えば,ファイバー挿管の際には,下顎挙上を手伝う係,吸引・気管チューブを操作する係など事前に役割を説明し,段取りよく行動できるように準備する必要がある。人員に余裕があれば,チームリーダーは手を動かさずに全体を見渡し状況を判断できるようにすることが推奨されている。
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