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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Gillis AM. A sober reality? Alcohol, abstinence, and atrial fibrillation. N Engl J Med 2020;382:83-4.
Article:
Voskoboinik A, Kalman JM, De Silva A, et al. Alcohol abstinence in drinkers with atrial fibrillation. N Engl J Med. 2020;382:20-8.
■心房細動の頻度は今後40年で倍になる?
心房細動は最も多い上室性不整脈である。心房細動の危険因子には,高齢や肥満,運動不足,高血圧,糖尿病,睡眠時無呼吸などがあるが,将来このような危険因子をもつ人口が増加するため,心房細動の発生率も上昇すると考えられる。
心房細動の危険因子に飲酒がある。飲酒量が増加するほど,心房細動の発生率が上昇するという用量依存性がある。飲酒量を減少させたり禁酒することにより,体重減少,血圧低下,血糖調節の正常化,高脂血症の改善が起こり,心房細動の発生率が低下する可能性がある。
アルコールが心房細動を誘発する機序として,心房の活動性の上昇,自律神経系の緊張,心房不応期の短縮,ナトリウムチャネル発現の抑制などが考えられている。アルコール摂取により,心房拡張や心房線維化,伝導遅延などの心房の電気的および構造的リモデリングが起こると考えられている。心房リモデリングには,心筋炎症や酸化ストレス,レニン-アンギオテンシン系の活性化に伴う高血圧なども関与する。
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