増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅰ周術期管理・総論
輸液管理
木村 豊
1
,
額原 敦
1
,
古賀 睦人
1
,
原口 直紹
1
Yutaka KIMURA
1
1近畿大学奈良病院消化器外科
pp.16-19
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110016
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周術期の輸液管理の基礎知識
輸液の目的は,体内の内部環境を維持すること,つまり,水分・電解質を補充して体液の恒常性を保つとともに栄養補給を行って栄養を維持することである.本稿では,周術期の体液の恒常性維持に焦点を当てて輸液管理について解説する.
安定した状態で1日に必要な水分量は「尿量+不感蒸泄量+糞便の水分量」−「代謝水」で,尿量にもよるがおおむね体重(kg)×25〜35 mL/日で,電解質はNa+は体重(kg)×1〜2 mEq(60〜120 mEq),K+は0.5〜1.0 mEq(30〜60 mEq)必要である.周術期には,術中の麻酔科の輸液管理を除いては,1日に必要な水分量と電解質を念頭に置き適正な輸液を行う必要がある.

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