徹底分析シリーズ 脳外科手術のControversies―2
術中輸液管理と用いる輸液製剤はいかにすべきか?
武田 吉正
1
Yoshimasa TAKEDA
1
1岡山大学病院 麻酔科蘇生科
pp.596-599
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100684
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末梢血管は水とイオンを通過させるが,脳血管は血液脳関門(BBB)の存在により,水のみが通過可能である。その移動には,血清浸透圧の変化が大きな役割を果たしている。血清浸透圧が低張になると,血管から脳へ水の移動が起こり,脳浮腫の原因となる。しかしながら,脳浮腫を治療するために,通常高浸透圧利尿薬が多量に用いられており,循環動態が不安定な場合も少なくない。
本稿では,脳外科麻酔における術中輸液管理と用いる輸液製剤(晶質液と膠質液および高浸透圧利尿薬,高張食塩液など)のあり方を検討する。また,脳浮腫と輸液のあり方についても触れる。
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