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あとがき
水島 恒和
pp.1010
発行日 2025年8月20日
Published Date 2025/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800081010
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思い返してみると,私が学生時代に肛門の疾患や診察法について詳しく学んだ記憶は,ほとんどありません.大学を卒業し,外科・消化器外科の研修を受けるなかでも,大学病院や地域の基幹病院での診療の中心は癌や急性腹症であり,痔核や裂肛,痔瘻などの肛門疾患にじっくり向き合う機会は限られていたように思います.
その後,消化器外科専門医として大腸外科,特に炎症性腸疾患を専門とするようになり,クローン病の肛門病変という特殊な領域を通して,本格的に肛門疾患に関わるようになりました.最初は不安もありましたが,学会での講演を聴き,書籍を読み込み,専門の先生方に直接質問をして学びながら,少しずつ診療の手応えを得られるようになっていきました.

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