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実践講座 嚥下障害の評価の実際・8
一般病棟の看護師の基本的素養としての嚥下障害の評価
Assessment of dysphagia as a basic predisposition for nurses in general wards
清水 奈美
1
Nami Shimizu
1
1新座志木中央総合病院
1Niiza Shiki Central General Hospital
キーワード:
看護師
,
摂食嚥下障害
,
嚥下評価
,
誤嚥性肺炎
Keyword:
看護師
,
摂食嚥下障害
,
嚥下評価
,
誤嚥性肺炎
pp.1151-1156
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530111151
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はじめに
本邦の死亡原因における第6位が誤嚥性肺炎である.高齢者の肺炎のうち,7割以上が誤嚥性肺炎であり,入院症例における誤嚥性肺炎割合は70歳以上で70%となっている.また,肺炎による死亡者の95%以上が65歳以上の高齢者である1).摂食嚥下障害を引き起こす疾患として脳卒中が多いが,術後,精神疾患,サルコペニア,薬剤の影響によっても摂食嚥下障害を引き起こすなど,原因は多岐にわたる.加齢の影響は多様であり2,3),高齢社会である本邦では,どの施設においても摂食嚥下障害者がいる可能性を念頭に置いておく必要がある.
摂食嚥下障害者は誤嚥性肺炎のリスクが高いだけでなく,口から食べるということを奪われていることが多い.誤嚥性肺炎を予防することはもちろん,口から食べる楽しみや幸せの継続は,適切な嚥下評価や訓練を行うことで可能となる.日々患者の状況を把握し,食事場面を見て,直接的なケアを行うことの多い看護師が摂食嚥下障害看護における知識をもち,適切に嚥下機能の評価ができることで患者の誤嚥性肺炎の予防や経口摂取へとつなげられる.本稿では,一般病棟における看護師の嚥下障害の評価の実際について触れていく.

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