連載 ビッグデータ,リアルワールドデータの活用・第1回【新連載】
リハビリテーション領域の医療ビッグデータ活用
松田 晋哉
1,2
Shinya Matsuda
1,2
1福岡国際医療福祉大学看護学部
2福岡国際医療福祉大学ヘルスサービスリサーチセンター
1Department of Nursing, Fukuoka International University of Health and Welfare
2Health Service Research Center, Fukuoka International University of Health and Welfare
キーワード:
DPC
,
NDB
,
介護データベース
Keyword:
DPC
,
NDB
,
介護データベース
pp.1053-1056
発行日 2025年10月10日
Published Date 2025/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530101053
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はじめに
高齢化の進行は,医療介護生活における複合のニーズをもった高齢患者を増加させる.人生の最終段階において,尊厳をもって自立して生活するためには,activities of daily living(ADL),instrumental ADL(IADL)の維持が重要な要素であり,したがってリハビリテーションの提供体制を充実させることが必要となる.ただし,少子高齢化の進行は,高齢者という社会保障サービス利用者の増加と,少子化という社会保障財政の担い手の減少を意味する.こうした環境下で,リハビリテーションに十分な診療報酬・介護報酬上の評価を得るためには,リハビリテーションの効果に関するエビデンスを,臨床面だけでなく,医療経済的な面も含めて出していく必要がある.また,リハビリテーション専門職の適正な配置についても,エビデンスが必要である.
現在,わが国においては,研究者からの申請に基づいてレセプトデータベース〔医療保険:匿名医療保険等関連情報データベース(National Database of Health Insurance Claims:NDB),介護保険:匿名介護保険等関連情報データベース(Japanese Long-term Care Database:介護DB)〕およびdiagnosis procedure combination(DPC)データの提供が開始されている.本稿では,これらのデータを用いてどのようなエビデンス構築が可能なのかを,筆者の教室で構築しているレセプトおよびDPCのデータベースを用いて説明する.

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