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公益社団法人日本麻酔科学会第71回学術集会講演特集号 招請講演
ビッグデータを用いた日本の産科麻酔研究とその展望
Obstetric anesthesia research using big data in Japan and its prospects
米倉 寛
1
Hiroshi YONEKURA
1
1藤田医科大学ばんたね病院麻酔・疼痛制御学
キーワード:
臨床研究
,
産科麻酔
,
リアルワールドデータ
,
レセプト
,
DPC
Keyword:
臨床研究
,
産科麻酔
,
リアルワールドデータ
,
レセプト
,
DPC
pp.S54-S61
発行日 2024年11月20日
Published Date 2024/11/20
DOI https://doi.org/10.18916/masui.2024130008
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はじめに
近年の情報技術の革新により,医療におけるデータのデジタル化とデータベース化が進展し,大規模データセットの利用が現実のものとなっている。大規模医療データベースの開発と利用可能性の拡大は,日本における臨床研究の急速な増加を支えている1)。特に,医療現場で日常的に蓄積されるリアルワールドデータの活用が促進されている2)~4)。行政請求データベース(administrative claims database)は,医療費請求に関連する診断,処置,薬剤処方などの詳細な医療情報を含んでいる。これらの医療データベースを用いた観察研究は,ランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)と比較して,サンプルサイズが大きく,短期間で実施でき,コストが低いという利点を持つ。
本論文の目的は,まず代表的な全国規模の医療データベースに焦点を当て,過去の臨床研究を踏まえて,これらのデータベースを利用した産科麻酔研究を紹介することである。次に,日本において大規模医療データベースを用いた臨床研究を実施する際に考慮すべき点を述べる。最後に,データベースを活用した今後の臨床研究に対する展望を示す。
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