連載 チーム医療を支えるリハビリテーション看護・第6回
神経難病患者に対するリハビリテーション看護
新井 玉南
1
Tamami Arai
1
1東京都立神経病院
1Tokyo Metropolitan Neurological Hospital
キーワード:
神経難病
,
リハビリテーション看護
,
苦痛緩和
,
日常生活支援
,
多職種連携
Keyword:
神経難病
,
リハビリテーション看護
,
苦痛緩和
,
日常生活支援
,
多職種連携
pp.315-319
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530030315
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神経難病患者のハビリテーション看護
神経難病は現時点で根治的な治療法がなく,病初期から終末期までの療養経過において,運動障害や呼吸障害,摂食嚥下障害,コミュニケーション障害などさまざまな機能障害が進行していく疾患である.リハビリテーション医療では,一般的に機能障害の回復をめざしてケアを行うことが多い.しかし,進行性の神経難病では残存機能を維持するとともに,補助具などを使用して最大限の能力が発揮できるように支援し,生活の質(quality of life:QOL)の向上をめざすことになる.そのため,神経難病患者に対するリハビリテーション看護においては,苦痛緩和や日常生活支援そのものがきわめて重要となる.
神経難病の代表的な疾患である筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)やパーキンソン病では,症状の出現の仕方や進行のスピードが患者によって異なり,療養経過にも個人差がある.特に,人工呼吸器を使用しないALS患者の場合には,その生命予後は平均で4年と報告されており1),比較的早い経過をたどる.そのため,次々に現れる機能障害に対して症状の変化を見逃さず,多職種で連携しながら適切な時期に介入できるかが,QOL向上の大きな鍵を握ることになる.

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