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特集 新組織学シリーズⅥ:心臓
Ⅰ.心臓の構造と機能
心筋とメカニカルストレスの新視点—核を支えるクロマチン空間構造の力学的役割
A new perspective on the heart under mechanical stress:the mechanical role of chromatin spatial organization in nuclear stability
平井 希俊
1
Hirai Maretoshi
1
1関西医科大学薬理学講座
キーワード:
ヘテロクロマチン
,
TRP
,
Piezo
,
Lamin A/C
,
LINC複合体
Keyword:
ヘテロクロマチン
,
TRP
,
Piezo
,
Lamin A/C
,
LINC複合体
pp.559-563
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760060559
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動き続ける臓器,耐え続ける細胞
心臓は,全身の血液循環を担う中枢臓器として,絶えず拍動を続けている。ヒトの心臓は一日に約10万回,人生でおよそ30億回も収縮と弛緩を繰り返し,そのたびに心臓の細胞は強い力学的ストレスに曝される。拍出のたびに心室内圧は100mmHg以上にも達し,心筋細胞は自ら生み出す張力に加えて外部からの圧力にも曝される。このような過酷な力学的環境は,他の臓器ではほとんど例をみない。
高血圧や心筋梗塞などの心血管疾患では,病的メカニカルストレスが心筋肥大や構造再構築(リモデリング)を引き起こし,やがて心不全へ至ることが知られている。その分子メカニズムも徐々に解明されつつある。一方,健常な心筋細胞が日常的なメカニカルストレスにどのように適応し,構造と機能を維持しているのかは,まだ十分に理解されていない。

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