Japanese
English
特集 新組織学シリーズⅥ:心臓
Ⅰ.心臓の構造と機能
刺激伝導系と不整脈の機能・形態学的研究
Integrated morphological and functional analysis of the conduction system
松山 高明
1
,
田中 秀央
2
Matsuyama Taka-aki
1
,
Tanaka Hideo
2
1昭和医科大学医学部法医学講座
2京都先端科学大学健康医療学部
キーワード:
カルシウム動態
,
コネキシン
,
刺激伝導系
,
組織形態
,
プルキンエ線維
Keyword:
カルシウム動態
,
コネキシン
,
刺激伝導系
,
組織形態
,
プルキンエ線維
pp.564-568
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760060564
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心臓内の心筋細胞は,一般(作業)心筋と特殊心筋(刺激伝導系)に大別することができる。この機能も形態も異なる2種類の心筋により,心房・心室の秩序立った収縮・拡張が生じて正常の心拍が持続される。一方,病的とされる不整脈は臨床では徐脈性・頻脈性などに分類され,種類と機序も多様で,その機序に刺激伝導系が関連することもあれば,一般心筋の形態的・機能的異常のみでも不整脈は生じ得る。そのため,一概に“どの異常”が心臓の“どこに”あったら,“どのような不整脈”が出るということを示すことは難しく,また不整脈は電気的興奮の異常であり,それを“組織形態学的に”示すことは,静止状態になった心筋組織で証明することになり更に困難と言える。
しかし,近年の情報処理技術の発達,photonicsやimaging技術の向上により,組織形態と不整脈が生じる機能を合わせて論じるという不可能の域から脱しつつあるのではないかと思われる。本稿では,刺激伝導系組織の基本的な概略とそれが不整脈とどのように関連するかを示す一研究手法を示す。

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