巻頭言
メカニカルストレス
田中 栄
1
1東京大学医学部整形外科
pp.245-246
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000065
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「メカニカルストレス」とは生体内の細胞や組織に負荷される物理的・力学的な刺激を指すが,外来刺激のみならず,細胞や組織の移動,あるいは形態変化に伴って生じる内因性の刺激もこれに含まれる.メカニカルストレスに呼応して,生物には無機的な物質とは異なった反応が生じる.これは組織・細胞がメカニカルストレスを受容した際に,物理的刺激をさまざまな生物学的反応へと変換させる機構を有することによる.動物がメカニカルストレスのない状態で生命を維持することは不可能であり,発生から成長,恒常性維持とその破綻である疾患,そして老化や死に至るまで,すべてのライフステージを通じてメカニカルストレスは根源的な役割を果たす.
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