特集 染色体研究Update
Zscan4による特異的なヘテロクロマチン制御を介したマウスES細胞のゲノム安定化
秋山 智彦
1
,
小田 真由美
,
石黒 啓一郎
,
洪 繁
,
洪 実
1慶応義塾大学 医学部坂口光洋記念システム医学講座
キーワード:
ヘテロクロマチン
,
Histones
,
アセチル化
,
発生遺伝子発現調節
,
テロメア
,
転写活性化
,
染色体分離
,
胚性幹細胞
,
ゲノム不安定性
,
エピゲノミクス
,
ZSCAN4 Protein
Keyword:
Acetylation
,
Histones
,
Heterochromatin
,
Transcriptional Activation
,
Telomere
,
Gene Expression Regulation, Developmental
,
Chromosome Segregation
,
Genomic Instability
,
Embryonic Stem Cells
,
Epigenomics
,
ZSCAN4 Protein, Human
pp.1052-1056
発行日 2015年10月22日
Published Date 2015/10/22
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マウス胚性幹細胞(ES細胞)に時折,かつごく短時間発現するZscan4は,テロメア長の伸長や正常核型の維持を介し,ES細胞の半永久的なゲノム安定性に重要な働きをする.染色体の制御に関わるテロメアやセントロメア領域は,ふつう固く凝集したヘテロクロマチン構造を形成しているが,一過性のZscan4遺伝子強発現(Z4イベント)は,ヘテロクロマチンを一時的に“オープン”にする特殊な機構に関与することが明らかとなった.本稿では,このZ4イベントによるヘテロクロマチン制御を介したマウスES細胞ゲノム安定化機構について解説する.
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