Japanese
English
特集 クロマチンによる転写制御機構の最前線
Ⅱ.転写抑制のメカニズム
ヘテロクロマチン形成におけるヒストン修飾の意義
Molecular mechanism of heterochromatin organization by histone modification
福田 渓
1
,
眞貝 洋一
2
Fukuda Kei
1
,
Shinkai Yoichi
2
1メルボルン大学
2理化学研究所開拓研究本部眞貝細胞記憶研究室
キーワード:
ヘテロクロマチン
,
ヒストン修飾
,
高次クロマチン構造
,
エピゲノム可塑性
,
転写抑制
Keyword:
ヘテロクロマチン
,
ヒストン修飾
,
高次クロマチン構造
,
エピゲノム可塑性
,
転写抑制
pp.223-228
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201679
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真核生物のDNAはヒストンタンパク質と結合してヌクレオソーム構造を形成し,多数のヌクレオソームが高次のクロマチン構造をとることで細胞核に収納されている。クロマチンは転写活性なユークロマチンと高度に凝縮した転写不活性なヘテロクロマチンに大別され,両者は空間的に分離して核内に配置する。ヘテロクロマチンは適切な遺伝子発現やゲノムの安定性を維持しており,相分離などの新たな領域の発展によりヘテロクロマチンの形成機構や性質の理解は急速に深まっている。本稿では,ヘテロクロマチンの形成に重要な役割を担うヒストン修飾であるH3K9メチル化によるヘテロクロマチンの形成機構と,転写抑制機構における現在の知見について紹介する。
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