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はじめに
ハートランドしぎさん看護専門(以下、当校)は、奈良県生駒郡三郷町に位置する3年課程の看護師養成所です。
第5次指定規則改正に伴う新カリキュラムでは、2年次前期の専門基礎分野に「看護に役立つ臨床薬理学」として、1単位30時間の薬理学の科目を設けています(以前は1年次に設定)。講師は母体病院の薬剤師であり、系統看護学講座(医学書院)の『薬理学』と『臨床薬理学』をテキストとして、1回あたり2時間の授業を依頼し、依頼時には授業の目的や概要を説明しています[表1]。
授業内容としては、まずは、薬が作用する仕組みや薬と法律などの基本的な内容を学習し、その後、系統別に分類された薬について、健康障害に応じた薬物療法を順に学習しています。また、与薬方法に関しては、看護教員が基礎看護技術で講義・演習を行い、薬剤関連の医療事故に関しては、統合分野の「医療安全」の科目で学んでいます。
新カリキュラムの運営が始まって4年目になり、さまざまな改善の必要性を感じている昨今、カリキュラムの一部分である薬理学の授業においても、学生がどのような力を身につけたのかを十分に評価・改善することが必要だと考えます。「薬理学」から「看護に役立つ臨床薬理学」と科目名を変えたものの内容は大きくは変わらず、講師は以前と同様に薬剤師の先生にお願いしており、看護の視点で伝えていただくことには限界があります。
実際に例年、多くの学生は薬理学を苦手としていて、あまり興味を示しておらず、終講試験に合格するために丸暗記をするような勉強方法であることをよく耳にします。「薬の名前はカタカナが多く覚えられない」「勉強の仕方が分からない」「薬剤師さんに任せたらよいのでは」と言い、薬から逃げているように感じることもあります。かく言う私も、学生時代はというと薬理の勉強が苦手で、なぜ看護師を目指す自分が薬の勉強をやらなければならないのかを十分に理解できず、丸暗記で終講試験を受けた記憶があります。今となれば、看護師が薬の知識を持つことがどれほど大切であるかが分かるのですが、当時は目の前の学生と同じ気持ちだったと思います。
薬に関する知識は、医師や薬剤師に任せておけばよいという時代ではなく、あってはならない医療事故を未然に防ぐためにも、看護師には、薬に対する確かな知識を持ち合わせていることが望まれます。看護師を目指す学生たちが「薬理学嫌い」にならないよう、私自身の経験も振り返りながら、興味関心を持ってもらうにはどうすればよいのか考えて実践している取り組みについて紹介します。

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