Japanese
English
症例報告
乳頭状汗腺腫の1例—起源についての考察を加えて
A case of hidradenoma papilliferum with insight into the origin
加世田 千夏
1
,
田中 隆光
1
,
上松 藍
1
,
鎌田 昌洋
1
,
石田 毅
2
,
笹島 ゆう子
2
,
多田 弥生
1
Chinatsu KASEDA
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Ai AGEMATSU
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Tsuyoshi ISHIDA
2
,
Yuko SASAJIMA
2
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
2帝京大学医学部病理診断科
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Pathology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
乳頭状汗腺腫
,
anogenital mammary-like gland
,
エストロゲン受容体
,
プロゲステロン受容体
Keyword:
乳頭状汗腺腫
,
anogenital mammary-like gland
,
エストロゲン受容体
,
プロゲステロン受容体
pp.29-33
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790010029
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 42歳,女性.1年前より左側外陰部の結節が徐々に増大し当科を受診した.左小陰唇下方に大豆大の淡紅色の皮内〜皮下結節がみられ,弾性硬で,可動性良好であった.組織学的には島状の充実性胞巣が分葉状に存在し,上方は1, 2層の上皮細胞が囊腫状に取り囲んでいた.胞巣は不規則に分岐する腺管構造を有し,腺管の管腔側は円柱状の細胞,外側は小型な扁平状の細胞で構成され,内腔側に断頭分泌あり,乳頭状汗腺腫と診断した.近年,乳頭状汗腺腫はanogenital mammary-like gland(AGMLG)由来であり,乳腺における乳管内乳頭腫に相似する疾患であるという新説が提唱された.自験例でも免疫染色でエストロゲン受容体,プロゲステロン受容体に陽性であり,AGMLG由来である可能性が示唆された.さらにHPにおける免疫染色の新たな報告が続いており,診断確定の一助となる可能性がある.
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.