Japanese
English
症例報告
ペムブロリズマブが有効であった有棘細胞癌の1例
A case of cutaneous squamous cell carcinoma effectively treated with pembrolizumab
中塚 瑞記
1
,
山本 有紀
1
,
神人 正寿
1
,
杉本 武哉
2
Mizuki NAKATSUKA
1
,
Yuki YAMAMOTO
1
,
Masatoshi JINNIN
1
,
Takeya SUGIMOTO
2
1和歌山県立医科大学皮膚科
2和歌山県立医科大学呼吸器・腫瘍内科
1Department of Dermatology, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
2Department of Pulmonology, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
キーワード:
再発・転移性有棘細胞癌
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
ペムブロリズマブ
Keyword:
再発・転移性有棘細胞癌
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
ペムブロリズマブ
pp.35-40
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790010035
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要約 80歳台の女性.X−6年,右外顆有棘細胞癌に対して切除術+植皮術施行された.X−2年,右鼠径部・右外腸骨リンパ節転移を認めリンパ節郭清術を施行された.X−1年,右下腿部皮膚転移と骨転移,脾臓転移を認めた.その際,右肺尖部にも49 mm大の腫瘤を認め,気管支鏡下生検の結果で扁平上皮癌の診断であり,X年3月,右肺尖部原発性肺癌に対して当院呼吸器内科にてペムブロリズマブが導入された.X年5月には有棘細胞癌の皮膚転移巣,肺癌病変の双方でPRとなった.本邦では2024年2月に根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍に対するニボルマブの適応が承認された.自験例はニボルマブ承認前の症例で,原発性肺癌に対して投与されたペムブロリズマブにより有棘細胞癌の多発皮膚転移巣が著明に改善した.今後,ペンブロリズマブも含めた免疫チェックポイント阻害薬の有棘細胞癌に対する有効性の詳細な検討が待たれるところである.
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