Japanese
English
症例報告
表皮との連続性を示した乳頭状汗腺腫の1例
A case of hidradenoma papilliferum connected to the epidermis
福島 桂子
1
,
蒲澤 美代子
1
,
甲斐 浩通
1
Keiko FUKUSHIMA
1
,
Miyoko KABASAWA
1
,
Hiromichi KAI
1
1河北総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kawakita General Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
乳頭状汗腺腫
,
乳頭状汗管囊胞腺腫
,
エストロゲン受容体
Keyword:
乳頭状汗腺腫
,
乳頭状汗管囊胞腺腫
,
エストロゲン受容体
pp.607-610
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206118
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要約 31歳,女性.4年前より外陰部に中心臍窩のある皮下腫瘤が増大し当科を受診した.全摘した病理組織像は表皮と連続した単房性の囊腫状構造で,内部に複雑な腺管の乳頭腫状増殖を示し,腺管は,内腔への断頭分泌を認める円柱状の細胞と,間質側のやや扁平な細胞の2層構造を呈していた.表皮と連続する点が非典型であったが,部位,間質への形質細胞浸潤の乏しさより乳頭状汗腺腫と診断した.近年乳頭状汗腺腫はanogenital mammary-like gland由来であり,乳腺における乳管内乳頭腫に相似する疾患であるという新しい説が提唱された.表皮との連続性を示す自験例のような症例についても,乳腺における表皮過形成の相似として解釈できるという説もあり,新説に基づく新しい病理組織学的所見の解釈や染色性,遺伝子変異の今後のさらなる研究が待たれる.
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