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ハームリダクションアプローチ やめさせようとしない依存症治療の実践

ハームリダクションアプローチ やめさせようとしない依存症治療の実践
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筆頭著者 成瀬 暢也 (著)

埼玉県立精神医療センター副病院長

中外医学社

電子版ISBN

電子版発売日 2019年6月17日

ページ数 204

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-498-22914-3

印刷版発行年月 2019年6月

DOI https://doi.org/10.18886/9784498229143

書籍・雑誌概要

やめさせることを目的とせず,患者の苦しいこと,困っていることを一緒に考えること.使っている薬物が違法で
あろうがあるまいが患者を支援すること.これこそが「ハームリダクションアプローチ」である.依存症は病気で
ある.懲らしめてよくなる病気は無い.人権を尊重したハームリダクションの考え方こそ,依存症治療の基本とす
べきである.

目次

目次

第1章 ハームリダクションとその考え方
 ハームリダクションとは何か
 ハームリダクションの歴史
 政策としてのハームリダクションとその効果
 ハームリダクションの考え方とは  〜人権を尊重した支援〜
 アルコール依存症治療構造改革とハームリダクション

第2章 依存症は病気である
 風鈴とクーラーの話から依存症を理解する
 やさしい脳科学から依存症を理解する
 依存症の定義・診断基準から依存症を理解する
 どうして依存症は病気と理解されないのだろうか
 依存症は病気であることの正しい理解の重要性

第3章 依存症患者の背景にあるもの
 生育環境における影響について
 依存症患者の背景にある対人関係の問題
 依存性物質がもたらしてくれたもの
 物質による孤独な自己治療の結果としての依存症

第4章 依存症患者を理解する
 依存症患者によくみられる具体的な特徴
 依存症患者を理解した支援

第5章 依存症治療とはどのようなものか
 治療関係づくり
 治療の動機づけ
 精神症状に対する薬物療法
 解毒・中毒性精神病の治療
 疾病教育・情報提供
 行動修正プログラム
 自助グループ・リハビリ施設へのつなぎ
 生活上の問題の整理と解決の援助
 家族支援・家族教育

第6章 依存症からの回復に大切なもの
 安心できる居場所と信頼できる仲間があって人は癒される
 荒海をひとり漂流する命綱がアルコールであり薬物である

第7章 エビデンスに基づいた依存症治療から得たもの
 マトリックスモデルを取り入れたSMARPPの導入
 海外で実践されている心理社会的治療

第8章 これまでの依存症治療 ーやめさせようとする依存症治療

第9章 ハームリダクション臨床  ーやめさせようとしない依存症治療
 やめさせようとしない依存症治療とは
 当センター外来での患者の意識調査から
 アルコールや薬物を手放すことの困難さ
 患者に断酒・断薬を強要してはいけない理由
 やめさせようとする治療とはどこが違うのか

第10章 ハームリダクション臨床の実際
 「ようこそ外来」の実践  〜ハームリダクション外来〜
 LIFEプログラムの実際  〜ハームリダクション外来プログラム〜
 入院治療の実際  〜入院治療のハームリダクション化〜

第11章 ハームリダクション臨床実践の留意点
 誰にでもできる依存症の診かた:「7つの法則」
 ハームリダクション臨床を行う際の留意点
 誰も傷つけず誰も傷つかないハームリダクション臨床  〜筆者の経験から〜

第12章 ハームリダクション臨床の具体的方法と事例の提示
 ハームリダクション臨床の具体的方法
 ハームリダクション臨床の実際のやり取り
 ハームリダクション臨床事例の治療経過  〜治療困難例の対応から〜

第13章 ダルクとハームリダクション
 ダルクの活動が示していること
 ダルクの優れた点と問題点
 ダルクとハームリダクション
 ダルクに学ぶこれからの回復支援

第14章 自助グループとハームリダクション

第15章 患者の人権に配慮した「尊厳あるひと」への支援
 依存症患者の尊厳は守られているか
 スティグマ問題の深刻さを想像してみよう
 どうすれば依存症患者の尊厳が守られるのか
 陰性感情,忌避感情,スティグマから解放されるために

第16章 ハームリダクションの視点からみた家族支援

第17章 他の精神疾患へのハームリダクション臨床の応用

第18章 現代社会とアディクション

第19章 「ようこそ外来」の現在

おわりに

文献

索引