書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。
基礎分子遺伝学・ゲノム科学
筆頭著者 坂本 順司 (著)
九州工業大学大学院教授,理学博士
裳華房
電子版ISBN 978-4-7853-7747-2
電子版発売日 2022年3月7日
ページ数 240
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-7853-5237-0
印刷版発行年月 2018年9月
書籍・雑誌概要
本書は,遺伝子研究の成果を,分子遺伝学の基礎からゲノム科学の応用まで,一貫した視点で解説した教科書である.これらの研究全体の蓄積は膨大なため,多くの大学カリキュラムではいくつもの科目に分割されている.この分割が避けがたい原因には,地味でウェットな大腸菌の遺伝学と派手でドライなヒトゲノム学との毛色の違いという問題もあり,両者の滑らかな接続はかなり困難な課題である.しかし,ほかにも多くの科目を同時に学ぶ必要のある今どきの学生や,知的好奇心は旺盛ながら忙しい現代人には,この課題を克服した教材が必要であろう.
そこで本書では,遺伝子研究の基礎から展開までシームレスにまとめるため,下記の3つの工夫をし,理解の助けとした.
1)第I部 基礎編と第II部 応用編を密な相互参照で結びつける。
2)多数の「側注」で術語の意味・由来・変遷などを解説する。
3)多彩な図表とイラストで視覚的な理解を助ける。
目次
第I部 基礎編 分子遺伝学のセントラルドグマ
1.遺伝学の基礎概念 -トンビはタカを生まない-
2.核酸の構造とゲノムの構成 -静と動のヤヌス神-
3.複製:DNAの生合成 -生命40億年の連なり-
4.損傷の修復と変異 -過ちを改める勇気-
5.転写:RNAの生合成 -格納庫から路上ライブへ-
6.翻訳:タンパク質の生合成 -異なる言語の異文化体験-
7.転写調節(基本を細菌で) -デジタル制御の生命-
第II部 応用編 ヒトゲノム科学への展開
8.発現調節(ヒトなど動物への拡張)-複雑系の重層的秩序-
9.発生とエピジェネティクス -メッセージが作る身体-
10.RNAの多様な働き -小粒だがピリリと辛い-
11.動く遺伝因子とウイルス -越境するさすらいの吟遊詩人-
12.ヒトゲノムの全体像 -ジャンクな余裕が未来を拓く-
13.ゲノムの変容と進化 -遺伝子の冒険-
14.病気の遺伝的要因 -ゲノムで読み解く生老病死-