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理学療法・作業療法のための実践編BiNI Approach
運動の成り立ちから導く,治療をシンプルにする法則性
筆頭著者 舟波 真一 (編)
文光堂
電子版ISBN
電子版発売日 2021年9月27日
ページ数 296
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-8306-4526-6
印刷版発行年月 2015年6月
書籍・雑誌概要
自己組織的な運動生成理論に基づく治療を提案する一冊.簡単な臨床推論から導けるため,若いセラピストであっても効果的な治療が可能.多くの図を用い,評価から治療まで詳細にBiNI Approachを解説している.実際のクライアントに対してどのように考え,展開していけばいいのかを疾患別に記載している.目的に合わせて,どの項からも読みやすいような構成になっているため,必要な時に,必要な部分だけを気軽に使っていくことができる.
目次
第1章 統合的運動生成概念に基づくBiNI Approach
1 . 統合的運動生成概念とは
2 . BiNI Theory(バイニー理論)
第2章 BiNI Approachの原理
1 . BiNI Approachの原理
2 . 作業療法からみたBiNIの原理
1) 肘の痛みの原因が股関節にあった!
2) 作業療法の形〜身体障害領域〜
3) BiNIの原理に基づく作業活動
4) BiNI Approachを作業活動に落とし込む利点
5) 人間は作業を希求する存在である
第3章 宇宙に存在する「力」の話
1 . 重力
2 . 弱い力
3 . 強い力
4 . 電磁気力
第4章 治療に応用される「生体エネルギー」
1 . エネルギーとは?
2 . エネルギーの種類
3 . 位置エネルギーと運動エネルギー
4 . 生体のエネルギーを治療に用いる
第5章 結合組織を変化させるには?
1 . 結合組織とは?
2 . 不動に伴う細胞外マトリックスの変化
3 . 結合組織を変化させるためには?
第6章 BiNI Approach Analyze編
1 . Flicker Analyze
1) フリッカー・アナライズ
2) 現象を理解する
3) フリッカー・アナライズの実際の方法
2 . 衝撃緩衝・ポテンシャルエネルギー
1) 床反力を利用して動ける体か?
2) 衝撃緩衝系を用いたポテンシャルエネルギーの評価の実際
3 . 組織の硬度・剛性・弾性
1) 組織の性質に関する用語整理
2) 触れて評価する
第7章 BiNI Approach Technique編
1 . テクニックの基本(感覚入力)
1) 人体の物性に基づくタッチ
2) 熱を伝えるタッチ
3) 固有振動数を共鳴させるタッチ
2 . 治療者とクライアントにおける「引き込み現象」とは?
1) 非線形振動:固有のリズムをもつ人体
2) 引き込み現象と共鳴の効果
3) 身体接触における治療者―クライアント間の引き込み現象
4) COP Oscillationにおける治療者―クライアント間の引き込み現象
3 . Compreduction Technique
A. 上部頸椎
1) なぜ上部頸椎に介入するのか?
2) 触診による配列の評価
3) 治療手技
B. 肩関節
1) 肩関節における前面部の解剖と内圧調整機構
2) アプローチの目的および手順
3) 肩甲上腕関節におけるコンプリダクション・テクニック,アプローチの実際
C. 胸郭
1) 胸郭は『塊』か?
2) 胸郭という構造体
3) 評価の実際
4) 実際のアプローチ
D. 仙腸関節
1) 受動的な仙腸関節
2) 仙腸関節の評価
3) 仙腸関節の治療
E. 足部
1) 足部の重要性
2) 用語の統一
3) 症例紹介
4) 足部コンプリダクション・テクニック
4 . COP Oscillation
A. 背臥位
1) 重力と床反力が作り出す動き
2) Oscillation Techniqueとは
3) Oscillation Techniqueを用いた治療(背臥位)
B. 座位
1) 初期設定
2) 方法
C. 立位(前後・左右)
1) 前後方向のCOPオシレーション
2) 左右方向(前方から)のCOPオシレーション
3) 左右方向(後方から)のCOPオシレーション
4) 立ち上がりでのCOPオシレーション
5 . Pressure Technique
1) Pressure Technique(プレッシャー・テクニック)の開発
2) 基本的な方法と注意事項
6 . Inertia Technique
1) Inertia Technique(イナーシャ・テクニック)の意義
2) 基本的な方法と注意事項
第8章 疾患別BiNI Approach
1 . 脊椎疾患(頸髄・胸髄疾患)
1) 圧迫性脊髄症術後の痛みに対するアプローチ
2) 圧迫性脊髄症後のリハビリテーションの実際(症例紹介)
2 . 肩関節周囲炎
1) 夜間痛を呈した症例
2) 左肩外旋制限を呈した症例
3 . 腱板断裂
1) 腱板断裂の形態,症状,治療法
2) 肩関節へのアプローチ
3) 関節鏡視下腱板修復術後のリハビリテーションの進めかた
4 . 変形性膝関節症
1) 変形しているから痛い?
2) 変形性膝関節症に特徴的な動作方略とアライメント
3) 治療戦略
4) 膝関節に対するBiNI Approach
5 . 大腿骨近位部骨折に対するBiNI Approach
1) 急性期の痛み・防御性収縮に対して―受容器や関節適合性を考慮したアプローチ―
2) 筋力低下に対して―固定部位,シナジーパターン,荷重痛を考慮したアプローチ―
3) 歩行時の感覚入力による筋活動の促通
6 . 人工関節
1) 人工股関節全置換術(Total Hip Arthroplasty:THA)を施行した後はどうなるの?
2) THA 後のBiNI Approach治療介入
3) 治療効果の検証
7 . 腰痛症
1) 問診
2) 身体的評価
3) 症例
8 . COPD
1) 運動性と腹腔内圧
2) 交感神経節
3) アプローチ
4) 症例
9 . 足部疾患(胼胝・鶏眼)
1) 胼胝・鶏眼
2) 足部に生じるずり応力
3) 胼胝・鶏眼に対するBiNI Approachの実際
10 . 小児疾患
1) 小児の適応について
2) 身体的な特徴
3) BiNI Approach の有用性
4) アプローチの実際
5) アプローチの手順
11 . スポーツ障害
1) 有痛性分裂膝蓋骨
2) 症例紹介
3) 身体機能評価
4) 歩行評価
5) スクワット評価
6) アプローチの実際
7) 最終評価
12 . 脳卒中急性期
1) 症例紹介
2) アプローチの実際
13 . 脳卒中回復期
1) 回復期におけるBiNI Approachの効果
2) 脳卒中の問題点と治療
3) 回復期脳卒中におけるアプローチの実際
14 . 訪問リハビリテーション①
1) 基礎情報
2) リハ開始時評価
3) アプローチ
15 . 訪問リハビリテーション②
1) 介護保険における訪問リハビリテーションの定義と必要な考えかた
2) クライアントを通してBiNI Approachを基にホームエクササイズを考える
16 . 嚥下障害
1) 摂食・嚥下障害を考える前に―多要因の関与―
2) 嚥下運動の各フェイズにおける神経経路と解剖・運動学から考える治療
3) 嚥下障害に対する徒手的介入の考えかた
17 . 精神科領域
1) 心理生成
2) 認知症に対するBiNI Approach:認知症における周辺症状に改善が得られた症例
3) 統合失調症に対するBiNI Approach:心気状態,依存性に改善が得られた症例
4) BiNI Approachの精神科疾患に対する有効性:その科学的検証
第9章 BiNI Approach応用編
1 . 超音波
1) 物理療法以外の治療は存在しない!
2) 超音波の原理と特徴
3) BiNI Approachへの適応
4) 治療の具体例
2 . BiNI Sound System
1) 音楽の好き嫌いで運動は変わるのか?
2) 並進バランステストと「音楽」
3) 音のエネルギーは人体と引き込み合うのか?
4) 臨床応用に向けて
3 . 視覚眼球テクニック
1) 視覚眼球テクニックの前に押さえておきたい解剖
2) 眼球運動システム
3) 視覚眼球運動の法則性
4) 眼球テクニックにおける評価と治療
4 . 運動生成と足部の関係
1) 足部主要関節の構造とその役割
2) 転がる足と転がらない足=過剰回内のリスク
3) 過剰回内からの脱却のための歩行誘導
5 . 動作における感覚入力の基礎
A. 寝返り
1) 評価・治療のポイント(球関節と肩甲胸郭関節)
2) 動作誘導:螺旋性の法則とCOPオシレーション
3) 誘導のポイント
B. 起き上がり
1) 起き上がりの力学的課題
2) 軽症例
3) 中等度〜軽度の重症例
C. 立ち上がり
1) 立ち上がるということ
2) 立ち上がりに対するBiNI Approach
D. 歩行
1) 歩行における感覚入力
2) 歩行の1歩目の誘導
3) 歩行動作中の感覚入力
6 . 歯科と身体構造の関係について
1) 口腔ケア
2) 口腔リハビリ
3) 歯科的な諸治療
第10章 U字型歩行器の臨床的意義
1 . U字型歩行器とは?
2 . U字型歩行器を用いた治療の実践方法
1) 歩行リズムの生成
2) 床反力を伝える
3) 慣性力をつくり出す
3 . U字型歩行器の臨床的効果について
1) 症例紹介
2) U字型歩行器介入における継時的な変化
第11章 BiNI Approachの効果検証
1 . Oscillation Techniqueの治療効果
2 . Oscillation Techniqueによりなぜパフォーマンスは変化したのか?
1) FFDの変化について
2) ジャンプ動作の変化について
3 . Oscillation Techniqueの有用性と可能性
第12章 BiNI Approach今後の展望
索 引