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自律神経と免疫の法則
体調と免疫のメカニズム
筆頭著者 安保 徹 (著)
新潟大学大学院医学部教授
三和書籍
電子版ISBN 978-4-86251-215-4
電子版発売日 2017年3月6日
ページ数 244
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-916037-66-4
印刷版発行年月 2004年9月
書籍・雑誌概要
自律神経と免疫に焦点をあて、多くのデータを使用して、病気の成り立ちと治癒反応を明らかにする。「気圧と疾患」「白血球膜上に発現する自律神経レセプターと白血球の生体リズム」等、30章に分けて解説。
目次
まえがき
1.気圧と疾患(虫垂炎)
はじめに 1
虫垂炎はなぜ起こる 1
白血球の変化と病気 3
虫垂炎の本体 4
おわりに 6
2.白血球膜上に発現する自律神経レセプターと白血球の生体リズム
はじめに 7
顆粒球膜上のアドレナリン受容体 7
リンパ球膜上のアセチルコリン受容体 8
白血球の生体リズム 9
運動による白血球の動き 12
自律神経系を刺激する他の因子 12
おわりに 12
3.感染による白血球の変化,そして体調
はじめに 14
微生物感染と白血球 14
微生物感染と自律神経系 15
「生物学的二進法」のメカニズム 15
体質と白血球 16
自律神経の反応 16
顆粒球のレベルを決める因子 18
創傷の治癒 18
おわりに 19
4.神経,内分泌,免疫系の連携の本体
はじめに 21
感受——分泌細胞の概念 21
分泌現象は排泄から進化 22
感受——分泌細胞の働きの同調 22
顆粒球の独自性 23
アドレナリンの初期反応 24
おわりに 26
5.新生児に生理的に出現する顆粒球増多と黄疸の真の意味
はじめに 28
新生児顆粒球増多とは 28
ストレス反応の原型 30
ストレスと肝障害 31
新生児黄疸の謎 32
酸素ストレスがストレスの本体 34
おわりに 34
6.胃潰瘍発症のメカニズム
はじめに 36
胃潰瘍患者の顆粒球増多 36
マウスの拘束ストレスと胃潰瘍形成 37
ストレス時の全身の顆粒球動態 37
ストレスによるカテコールアミンとコルチコステロンの産生 37
胃潰瘍消化説が生まれた謎 40
胃潰瘍メカニズムの混乱の歴史 40
おわりに 42
7.妊娠免疫の本体
はじめに 43
妊娠による白血球分画の変動 43
妊婦末梢血のリンパ球サブセット 45
妊娠中毒症患者の尿中のNK細胞 45
子宮脱落膜中の白血球 45
胸腺外分化T細胞と自律神経の関係 47
妊娠免疫の合目性とその破綻 48
妊娠異常を引き起こす交感神経緊張 49
おわりに 49
8.ストレス反応の男女差そして寿命
はじめに 51
急性ストレスと性ホルモン 51
ステロイドホルモンの逆転作用 54
ヒトの寿命と環境因子 55
地域と住民の白血球分画 55
おわりに 55
9.アレルギー疾患になぜかかる
はじめに 57
アレルギー疾患が子供に多い理由 57
排気ガスとアレルギー 58
金属とアレルギー 60
アレルギー発作誘導のメカニズム 61
ストレスと自律神経 61
おわりに 62
10.癌誘発の体調と免疫状態
はじめに 63
癌患者に見られる顆粒球増多 63
癌患者とNK細胞・胸腺外分化T細胞 64
癌末期の免疫状態 65
おわりに 66
11.東洋医学との関連
はじめに 68
漢方薬の副交感刺激反射 68
漢方薬による顆粒球減少作用 70
傷の治癒の遷延と漢方薬 72
アトピー性皮膚炎と針治療 73
おわりに 74
12.骨形成と免疫の深い関係
はじめに 75
元祖マクロファージから白血球と骨細胞への分岐 75
骨形成と免疫の関連 76
骨粗鬆症と白血球 76
顆粒球増多の危険性 78
顆粒球数と赤血球,白血球数の関係 79
おわりに 80
13.免疫システムと女性ホルモン
はじめに 82
免疫臓器の進化 82
女性ホルモンによる免疫調節 84
エストロゲン投与によって活性化するNK細胞,胸腺外分化T細胞,顆粒球 86
女性ホルモンによる古いリンパ球と顆粒球増多の意義 86
おわりに 89
14.自己免疫疾患の発症メカニズム
はじめに 91
自己免疫疾患の急性期の病態 91
急性期以降の自己免疫疾患の病態 92
胸腺外分化T細胞の特徴 92
自己応答性T細胞クローンはTCRint細胞分化経路でのみ生じる 95
おわりに 97
15.担癌患者とNK細胞
はじめに 99
NK細胞と胸腺外分化T細胞 99
マウスの拘束ストレスとリンパ球サブセットの変化 101
ストレスによるNK活性とNKT活性の変化 103
おわりに 105
16.ストレス,胸腺萎縮,回復時の自己反応性T細胞の産生
はじめに 107
ストレスや妊娠時の胸腺萎縮 107
エストロゲン投与による胸腺萎縮 108
グルチコルチコイドや放射線による胸腺萎縮 109
胸腺萎縮の回復とその生物学的意義 112
おわりに 113
17.副腎の働き
はじめに 114
ヒト血中コルチゾールの日内リズム 114
マウスの行動と糖質コルチコイドと白血球総数 115
マウス副腎摘出による白血球の変化 116
副腎摘出マウスとストレス 117
おわりに 118
18.ステロイドホルモン剤の副作用の新しい事実
はじめに 123
ステロイドホルモン剤の免疫抑制作用 123
ステロイドホルモン剤による顆粒球機能の活性化 125
ステロイド剤の効用と副作用 127
おわりに 128
19.リンパ球はなぜ副交感神経支配を受けたか
はじめに 130
消化管免疫の発達と進化 130
マウス小腸のリンパ球 131
マウス小腸のαβT細胞とγδT細胞 132
小腸と大腸のIELの比較 134
小腸リンパ球の加齢変化 135
胸腺外分化T細胞に共通する特有な接着分子発現 136
肝や腸管に独自に存在する造血幹細胞 136
ヒト小腸,大腸IELの性状について 139
胸腺外分化T細胞の抗原認識 141
免疫臓器の進化 142
おわりに 143
20.傷負け体質のメカニズム
はじめに 146
顆粒球増多と創傷治癒の遅れ 146
白血球の自律神経支配 147
ステロイドホルモンは起炎剤にもなる 148
傷負け体質とケロイド体質 148
傷負け体質の改善 150
ストレスと創傷治癒 150
おわりに 151
21.臓器再生,免疫,自律神経の同調
はじめに 153
肝再生,リンパ球,自律神経 153
肝で増加するリンパ球サブセットの解析 154
肝再生とNK細胞,NKT細胞の機能 156
再生肝細胞に対するNKT活性 158
おわりに 160
22.尿中カテコールアミン値と顆粒球そして血小板
はじめに 161
血中カテコールアミン値の日内リズムと個人差 161
尿中カテコールアミン値と白血球分布 162
血小板と赤血球はどのように関連? 164
おわりに 165
23.老人の免疫力
はじめに 167
100歳老人の末梢血白血球分布 167
顆粒球の機能とその加齢変化 168
100歳老人のIFNγ産生能 169
おわりに 172
24.内分泌攪乱物質の免疫系への影響
はじめに 173
使用した内分泌攪乱物質とダイオキシン類 173
内分泌攪乱物質と免疫 174
ダイオキシン類と免疫系 176
これまで報告されたデータとの比較 178
おわりに 181
25.妊娠前の免疫状態と不妊
はじめに 183
性サイクルと子宮内白血球 183
ヒトの不妊症,子宮内膜症と顆粒球 186
なぜ交感神経緊張が不妊症や子宮内膜症をもたらすのか 187
おわりに 187
26.免疫系の年内リズム
はじめに 189
大気圧の年内変化 189
免疫系の年内リズム 190
気温,気圧の変化によってなぜ免疫系はリズムをつくるのか 193
おわりに 194
27.アトピー性皮膚炎患者のためのステロイド離脱
はじめに 195
なぜアトピー性皮膚炎が子どもに多く起るのか 195
アレルギー疾患を引き起こす原因と直接の誘因 196
ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎を悪化させていく 198
ステロイドホルモンは起炎剤にもなる 199
ステロイド依存になったアトピー性皮膚炎患者は交感神経緊張体質に変わっている 200
ステロイド離脱の実際 200
おわりに 204
28.腰痛,関節痛,そして慢性関節リウマチの治療
はじめに 206
腰痛,膝関節痛,肩こりはなぜ起こるか 206
運動器の発生と進化 207
腰痛や椎間板ヘルニアの治療 208
慢性関節リウマチの病態 209
RA治療の実際 211
おわりに 212
29.再び,胃潰瘍,アトピー性皮膚炎,慢性関節リウマチについて
はじめに 213
胃潰瘍学説の検証 213
ステロイドホルモンの抗炎症学説の検証 214
痛みや炎症反応の正しい病態把握 215
ステロイド依存症の脂質・コレステロール代謝 216
“ストレスと病気”に介在するもの 218
おわりに 218
30.膠原病,自己免疫病に対するステロイド治療の検証
はじめに 221
自己免疫疾患は免疫抑制極限状態 222
自己免疫自然発症NZB/W F1マウスの免疫状態 223
膠原病や自己免疫病の病態の把握 225
患者の訴えから知る冷えの症状 225
ステロイド治療をしないと膠原病や自己免疫病はどのような経過をとるのか 226
ステロイドホルモンの生体作用 227
膠原病や自己免疫病の新しい治療について 228
時代と病気 228
膠原病や自己免疫疾患以外の病気に対するステロイド治療について 229
おわりに 232