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精神科医として生きる -診察室の人間学-

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筆頭著者 伊原 裕 (著)

獨協医科大学埼玉医療センター こころの診療科部長・教授

金芳堂

電子版ISBN

電子版発売日 2024年6月2日

ページ数 144

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-7653-2003-0

印刷版発行年月 2024年5月

DOI https://doi.org/10.50910/9784765320030

書籍・雑誌概要

日本だけでなく世界的にも精神疾患を有する患者数は増加傾向にあり,臨床研修でも精神科は必須となっている.本書は,長年精神科医として勤め,精神科医という仕事に魅力を感じ,今もなお日々邁進し続ける著者が,悩める精神科の若手医師や研修医に向けて,自身の経験をもとに,精神療法(精神科面接など)の身につけ方や進め方,精神病理学の学び方,そして精神科医自身のメンタルヘルスなどを紹介した1冊である.

目次

第一章 精神療法の技術
・精神科医初日に驚嘆すべきことが起きる
・技術は精神科医を作らない
・患者が未熟者を精神科医に育てる
・「技術の指導」もまた必要
・保険診療の時間的制約を利用する
・もっとも必要な技術は、優先順位と取捨選択
・私はそもそも薬物療法をあまりしていない
・精神科医の面接は音楽
・精神科面接とピア・モニタリング
・面接の流れのコントロール
・労力対効果のための予習・復習
・医師は予習・復習が得意
・予習・復習は面接のシミュレーション
・自信を支えるのはコントロール感覚
・予習・復習は孤独な作業
・アートとしての言葉
・精神医学者と精神科医は別
・精神科面接には訓練がいる
・まずは生活習慣から入るべきだが……
・縦軸・横軸・時間軸
・生活習慣と睡眠日誌
・言葉の賞味期限は7日
・睡眠に関する訴えには誇張が混じる
・ワンパターンのフレーズを用意しておく
・若年者に対する指導
・高齢者に対する指導
・生活習慣の修正が困難な職種
・アルコールの問題
・「精神科医なのだから療養指導などと言うな」(笠原嘉翁)
・生活習慣への介入は人間の理解あってこそ
・精神科医は患者にとって1,000分の1の存在
・生活習慣を整えづらくするのも生活習慣
・生活の維持と健康な習慣
・精神療法とデリカシー
・「神経症とは啓蒙書がみせびらかすほど猟奇的な病気ではない」(笠原嘉翁)
・成功は生育歴とは無関係
・低侵襲精神療法をこそ
・医療・福祉サービスを提案できれば、それも立派な精神療法
・オープン・クエスチョンの連発に神通力はない
・傾聴だけでは「精神療法」の要件を満たさない
・受け身の精神科面接からの脱皮を
・「指示、助言」は明示的でなくてもいい
・「指示、助言」は意図して行わなければならない
・精神科面接はお悩み相談の延長ではない
・技法にあわせるのでなく、個人にあわせる
・「大精神療法」の適用範囲は狭い
・保険診療に即した「指示、助言」
・「精神療法」の定義を広げる
・人間学派の精神療法
・日常診療のなかにこそ精神療法はある

第二章 精神病理をどう学ぶか
Ⅰ.精神病理学とは
・精神病理学とは論理を展開すること
・「読書」でなく「勉強」を
・好事家が得意なのはチャット
・“So what?”“Why so?”
・「すなわち」と「なぜなら」
・書くこと、語ることを意識する
・精神病理学はラングエッジ・アーツ(言語技術)の学
・パラグラフ・ライティング
・論理構成とは起承転結のことではない
・「いきなり勝負」型の論理

Ⅱ.精神科医として精神病理学を専攻するとは
・精神病理学者の生活
・精神病理学に基づいた症例検討会
・精神病理学は精神療法に寄与するのか?
・「メランコリー親和型」神話への疑問
・弱者の対処行動としての罪責念慮
・疑問を感じたら本を書く
・自治医大精神科の理論と臨床
・精神病理学は何から勉強していくか?
・安永浩のファントム空間論
・精神病理学の系譜
・精神科医の人生から学ぶ
・精神科医の思想から学ぶ
・精神科臨床と世界観
・精神科医の人と思想
・青木省三の『精神科臨床ノート』
・思想家としての北山修

Ⅲ.哲学などの学び方
・哲学などをどう学ぶか
・心身問題から哲学に入る
・ヒトはいかにイカに似ているか? 医科学的人間観
・モノ的人間観から流転的人間観へ
・大森荘蔵から心の哲学へ
・兼本浩祐における心身問題
・木村敏からハイデガー、宗教学へ
・人間の学は哲学だけではない
・レジリエンスの学としての宮本民俗学
・生きるとは可能性の限界を試すこと
・『忘れられた日本人』から『日本残酷物語』まで

第三章 精神科医のメンタルヘルス
・職場は友情を育む場でもある
・マイ・メンタルヘルス・ファースト

モノローグ 我が精神科医人生のあけぼの
・精神科医という職業があるらしい
・高校時代に未来の職業を考える
・島崎敏樹『生きるとは何か』
・とりあえず医学部を目指す
・青葉萌ゆる杜の都へ
・バブル前夜のおおらかな時代
・仙台の医学生は授業に出なかった
・みすず文化から精神医学へ
・宮本忠雄『精神分裂病の世界』
・宮本忠雄の主宰する医局へ
・わが修業時代

あとがき
文献
索引
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