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腎疾患と血液透析の診療
原病の診断から血液浄化法の技術まで
筆頭著者 副島 昭典 四倉 正之 鈴木 祥史 須田 健二 (著)
東京医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2018年7月9日
ページ数 326
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-88563-200-6
印刷版発行年月 2011年4月
書籍・雑誌概要
目次
A 慢性腎不全の原因疾患
1 糖尿病性腎症(diabetic nephropathy)
1)臨床経過と病態の特徴
2)2 型糖尿病とインスリン抵抗性
3)糖尿病性腎症の管理と治療
2 原発性糸球体腎炎(primary glomerulonephritis)
1)臨床病型
2)組織病型
3)ネフローゼ症候群をきたしやすい組織病型と鑑別点
4)治療
3 腎硬化症(nephrosclerosis)
1)良性腎硬化症
2)悪性高血圧
4 多発性嚢胞腎(polycystic kidney disease:PKD)
1)常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の遺伝子型
2)疫学・診断
3)常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の合併症
4)治療
5 ループス腎炎(lupus nephritis)
1)SLE の免疫異常とループス腎炎
2)ループス腎炎の臨床的特徴
3)治療
6 ファブリー病(Fabry’s disease)
1)ファブリー病の症状
2)診断
3)治療
7 尿細管間質性腎炎(tubulointerstitial nephritis)
1)種々の原因と病理組織所見
2)尿細管間質性腎炎をきたす薬剤
3)尿細管間質性腎炎の診断
4)治療
8 血管炎症候群(vasculitis syndrome)
1)顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA)
2)Wegener 肉芽腫症(Wegenerʼs granulomatosis)
3)紫斑病性腎炎(Henoch-Schönlein purpura nephritis:HSPN)
B 慢性腎不全の管理と保存的治療
1 進行度の評価
1)腎機能とクレアチニン
2)イヌリンクリアランス(Cin)
3)シスタチンC
2 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)
1)CKD の診断基準
2)CKD のステージ分類
3)CKD の検査値異常
4)CKD の病態と食事療法
5)CKD 例でのガドリニウム造影剤使用のガイドライン
3 腎実質性高血圧と降圧療法
1)全身血圧と糸球体血圧
2)夜間高血圧と食塩感受性
3)尿細管でのナトリウム再吸収異常
4)アルドステロンの腎障害作用とアルドステロンブレークスルー
5)アルドステロン/ミネラルコルチコイド受容体
6)降圧療法の選択
7)血圧コントロールと尿所見
4 腎性貧血とエリスロポエチン(EPO)
1)赤血球の産生機構とEPO
2)鉄代謝とヘプシジン
3)EPO の腎保護作用
4)Cardio-renal anemia(CRA)症候群
5)腎性貧血治療のガイドライン
5 経口吸着薬
C 慢性血液透析への導入
1 血液透析への導入基準
1)患者背景の変遷
2)導入時の残腎機能
3)予後のパラメーター
2 バスキュラーアクセス(vascular access)
1)内シャントの作製
2)内シャントの血流不全
3)留置カテーテル
3 透析不均衡症候群(dialysis disequilibrium syndrome)
4 抗凝固薬
1)ヘパリン
2)低分子ヘパリン(LMWH)
3)ナファモスタットメシル酸塩(NM)
4)アルガトロバン水和物(argatroban hydrate)
5)ヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia:HIT)
5 適正透析(adequacy of dialysis)
1)米国での基準
2)ヨーロッパでの基準
3)本邦での基準
D 維持血液透析患者の血液学的異常
1 貧 血
1)腎性貧血の原因
2)腎性貧血の治療
2 白血球の異常
E 電解質と酸塩基平衡の異常
1 慢性腎不全でみられる電解質と体液量の異常
1)ナトリウムの異常と体液量
2)高リン血症とFGF-23
3)低カルシウム血症と副甲状腺ホルモン(PTH)
2 アシドーシス
1)代謝性アシドーシス
2)尿細管性アシドーシス
F ミネラル・骨代謝異常
1 代謝性骨疾患
1)腎性骨異栄養症
2)慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)
3)副甲状腺ホルモン(PTH)のアッセイ
2 薬物治療と透析液の組成
1)リン吸着薬
2)活性型ビタミンD 製剤
3)透析液のカルシウム(Ca++)濃度
G 循環器系の病態生理と治療
1 高血圧の病態と治療
1)腎性高血圧
2)高血圧性腎障害
3)加速型-悪性高血圧症
4)血液透析と高血圧
2 心不全の病態と治療
1)心不全の病態
2)心不全における心腎連関
3)血液透析と心不全
4)心不全の治療
3 心膜炎の病態と治療
4 不整脈
5 虚血性心疾患
6 低血圧と透析困難症
7 内シャントの合併症とインターベンション
H 呼吸器合併症
1 呼吸器感染症
2 気管支喘息
第2部 血液透析編
A 血液浄化法の変遷
1 血液浄化の歴史
1)血液浄化の黎明期
2)透析器の歴史
3)透析液の歴史
4)血液浄化治療に関する医療保険制度
B 血液浄化の基礎工学
1 血液浄化と臨床工学
2 拡散理論
1)Fick の法則
2)膜による分子拡散モデル
3)境膜抵抗と総括物質移動係数
4)流管の入口効果
3 浸透圧
1)浸透圧と逆浸透
2)vanʼt Hoff の式と浸透圧単位の換算
3)コロイド(膠質)浸透圧とDonnan 効果
4 吸着理論
1)吸着の基礎理論
2)物理吸着と化学吸着
3)吸着力を示す吸着材の表面積
4)血液浄化治療用吸着剤の種類
5 レオロジー
1)粘度
2)ニュートン流体と非ニュートン流体
3)粘度の単位
4)血液のレオロジー
C ダイアライザの構造と機能
1 ダイアライザの工学的な背景と特徴
2 透析膜と分離膜の物理化学
1)血液浄化器の性能
3 透析膜素材の種類と構造式
1)セルロース(cellulose:(C6H10O5)n)膜
2)合成高分子膜
3)膜の非対称膜構造
4)血液透析用ダイアライザの構造
5)ダイアライザの製法と中空糸の紡糸法
6)濾過と逆濾過
4 ダイアライザの性能評価
1)透析効率の指標215
2)各指標の時間的特性と実測の手技
3)透析効率の指標の臨床的意義
4)1-pool model のマーカーと尿素
5)生体の腎機能と人工腎臓の比較
5 滅菌法
1)D 値(decimal reduction time)
2)オートクレーブ滅菌(auto cleave:ST)
3)エチレンオキサイドガス(ethylene oxide gas:EOG)
4)γ線滅菌
5)EB(電子線)滅菌
6)プラズマ滅菌
D 透析用患者監視装置
1 多数の患者への安全な同時透析と維持透析治療を可能とする透析装置
2 種々の装備と基本操作
1)患者監視装置の除水制御方式
2)患者監視装置に装備されている機器
3)基本操作
4)血圧低下を防ぐ透析法
3 血液濾過(hemofiltration:HF),血液濾過透析(hemodiafiltratin:HDF)
1)HF とHDF の原理と特徴
2)HF,HDF の実際と適応
3)HDF の発展型
E 血液回路
1 血液回路の構成と基本操作
1)血液回路の構成
2)基本操作
2 血液濾過,血液濾過透析の回路構成
3 アフェレシスの回路構成
1)血漿交換療法
2)吸着式血液浄化法
3)血球成分除去療法
4 血液吸着の回路構成
F 透析液供給装置
1 多数同時透析を可能にする透析液供給装置
2 透析液供給装置の種類と作動原理
1)透析液供給方式と粉末自動溶解装置
2)セントラル供給方式と個人機方式
3)透析液濃度調整装置の構造
3 自動プライミング装置と自動返血装置
1)自動プライミング・自動返血装置の前提として求められる透析液の清浄化
2)各工程の作動内容
4 透析液供給装置の濃度管理と安全基準
1)別測定装置による透析液濃度管理
5 装置の配管と消毒・酸洗浄
1)デッドスペース(滞留部)を解消した配管経路
2)装置と配管経路の消毒・酸洗浄
6 エンドトキシンと細菌汚染
1)エンドトキシン(endotoxin)
2)エンドトキシン捕捉フィルターの設置
3)透析液中の菌体数調査
G 透析液用水処理装置
1 逆浸透水処理装置
2 原 水
1)原水の水源
2)原水タンクと原水加熱装置
3)プレフィルター
3 軟水化装置(softener)
1)原水中の硬度成分
2)イオン交換樹脂の分子構造
4 活性炭吸着装置
5 逆浸透(revers osmosis:RO)装置
1)スパイラル型逆浸透モジュールの構造
2)逆浸透加圧ポンプ
6 処理水タンクと紫外線殺菌ランプ
1)処理水タンクと配管容量・形状
2)紫外線殺菌ランプ
H 透析液
1 透析液の組成と種類
2 重炭酸透析液の特徴と使用上の留意点
1)炭酸塩析出への対策
2)細菌増殖への対策
3 処方透析液
1)低カリウム血症への対応
2)カルシウム(Ca++)濃度の調整
3)ナトリウム(Na+)濃度
4)ブドウ糖濃度と低血糖症状
I 血液濾過用置換液
1 HF,HDF の置換液
2 無酢酸バイオフィルトレーション(acetate-free biofiltration:AFBF)
J アフェレシス療法
1 アフェレシスの種類と適応疾患
1)アフェレシス療法の種類
2 β2-ミクログロブリン吸着
1)β2-ミクログロブリンとは
2)リクセルⓇの適応
3)リクセルⓇの使用方法
4)準備(プライミングと洗浄)
5)体外循環
6)返血・終了
7)副作用
K 血液透析の実際
1 準備とプライミング
1)準備
2)ダイアライザおよび血液回路の透析装置への装着
3)ダイアラザおよび血液回路のプライミング
2 内シャントの穿刺と血液回路の接続
1)患者の観察と記録
2)内シャントへの穿刺
3)透析回路の接続
3 抗凝固薬の投与と血流量の設定
1)抗凝固薬の選択
2)抗凝固薬の投与量
3)血液流量の設定
4)除水量の設定
5)バイタルサインと記録
6)治療中の機器のチェック項目
7)一時離脱の方法
8)返血操作と止血
L 血液浄化業務の安全管理
1 機器のメンテナンスと法的規制
1)法制化された医療機器の保守管理義務
2)点検計画の必要記入事項と点検整備記録
3)日常点検と定期点検整備
4)血液浄化療法の事故の特徴とその対応
2 事故防止対策と人間工学
1)フェイルセーフ(fail safe)設計
2)フールプルーフ(fool proof)設計
3)ダブルチェック
4)チェックシート
5)信頼性向上の原則
6)ハインリッヒの法則1:29:300
索引