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ER・ICU診療を深める2
リアル血液浄化
筆頭著者 小尾口 邦彦 (著)
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2018年1月1日
ページ数 292
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-498-06684-7
印刷版発行年月 2015年10月
書籍・雑誌概要
難解な説明が多い急性期血液浄化を,軽妙な語り口と絶妙な例えでひもとく.あたりまえを疑い,本質を見逃さない.リアルな知識が手に入る1冊だ.
目次
テーマ01 CRRT原理・効率理解
Chapter 01 ■血液浄化をお題にしようと思った理由
若手医師の中にみたかつての自分, 敗血症治療の幹と枝を明確に分ける
コラム 椎体椎間板炎の診断・治療
Chapter 02 ■「CRRT原理・効率理解」パートを読み進めるために
基本略語, 本書における小分子・中分子
Chapter 03 ■拡散とは?
Chapter 04 ■HDを復習し,CHDの仕組みと効率を理解する
●血液透析(HD:hemodialysis)のしくみ
透析における物質移動を説明するにあたっての前提条件(透析開始前), 透析による物
質の移動, HDのポンプ
● Let’s try“血液浄化紙上シミュレーション” !!
以後のシミュレーションのお約束, 設定(1), 設定(2), 設定(3), 設定(1)〜(3)のま
とめ
● 血液流量を上げて効率アップ?
設定(4), 設定(5), 設定(6), 設定(4)〜(6)のまとめ
Chapter 05 ■HD(血液透析)・CHD(持続的血液透析)の違いを理解する
血液流量, 透析液流量, HDとCHDはなぜ似て非なるものなのか理解しよう, HDの
透析効率の上げ方, HDをお見合いパーティーにたとえて考えてみよう, CHDの透析
効率の上げ方, CHDを男女のお見合いパーティーにたとえてみよう
Chapter 06 ■現在のHDはかつてのHDにあらず……
初期の血液透析(HD)において重視されたのは小分子除去, 現在のHD≠かつてのHD,
なぜハイパフォーマンス膜で中分子が抜けるのか?, 血液透析(HD)によって中分子
が抜けることにより生じた問題, HDにより中分子が抜ける話をCHDにそのまま当て
はめることはできない
Chapter 07 ■血液ろ過(HF:hemofiltration),ろ過とは
血液ろ過(HF:hemofiltration)のしくみ, ろ過による物質除去, ろ過はところてん
パワー
●持続的血液ろ過(CHF)シミュレーション
設定(1)
●CHFによる小分子除去
●CHFによる中分子除去
設定(2), 設定(3)
●ふるい係数
in vitroでのふるい係数, ふるい係数の実際
Chapter 08 ■CHF(continuous hemofiltration:持続的血液ろ過)の最大の弱点
ヘモフィルター内血液濃縮, CHFにおいては血液流量も問題となり……
●CHF(後希釈法)
●CHF(前希釈法)
設定(1), 設定(2), 設定(3)
Chapter 09 ■なぜ透析室ではHF(血液ろ過)をあまり行わないのか?
HFの開発は遅かった, HFは特に小分子除去においてHDより効率が非常に低い, 水
道水による汚染, サブラットⓇなどは「もともとはHF目的の薬剤」, 透析室における
HF, On-line HDFとは?
Chapter 10 ■混乱しやすいCRRT機器ポンプ名称・流量65
CHD, CHF, CHDF
Chapter 11 ■CHDF(continuous hemodiafiltration:持続的血液ろ過透析)とは
CHDFの基本原理, 設定(1), 設定(2), 設定(3), 設定(4), 設定(5), 設定(6),
CHDFによるパフォーマンスのまとめ
Chapter 12 ■CHDFシミュレーション
Chapter 13 ■CHF・CHD・CHDFの効率はなぜ正しく理解されないか?
誤解の原因は?
CHF・CHD・CHDF比較の正しいグラフは?
Chapter 14 ■CHD・CHF・CHDFは設定変更の考え方にも違いがあり……
● (1)脱血不良
CHD(continuous hemodialysis:持続的血液透析), 後希釈法CHF(continuous
hemofiltration:持続的血液ろ過), CHDF(continuous hemodiafiltration:持続的
血液ろ過透析)
●(2)血液系回路凝固
●(3)膜の劣化
CHF, CHDF
Chapter 15 ■なぜ日本においてCRRTのスタンダードはCHDFとなったのか?
吸着原理についても理解しよう
●日本ではなぜCHDFが主流となったか?
日本におけるCRRTのその後, CHF・CHDFが血液中サイトカインの濃度に影響を及
ぼす因子, “CRRTによるサイトカイン除去の仕組み”説明の変遷
●吸着原理 吸着原理によるサイトカイン除去を重視する考え
PMMA膜使用ヘモフィルターも進化し……, セプザイリスⓇ(sepXirisⓇ)登場
●メインストリームで吸着?
少し脱線して……, さらに脱線して……
●サイドストリームで吸着?
PMMA膜(ヘモフィールⓇCH), AN69ST膜(セプザイリスⓇ), 吸着効率アップ
方法, 吸着能の生体内(in vivo)評価の難しさ, 吸着in vitro評価
● 吸着原理は膜飽和との戦い
コラム oXirisⓇ
コラム 筆者が危険だと思う会話
テーマ 02 リアル血液浄化
Chapter 01 ■CRRT回路・血液系ツアー
●CRRT回路内圧測定
圧力測定用ドリップチャンバー, 陰圧ピロー
● 筆者が考えるCRRT回路が複雑に考えられがちな理由
● “血液系”回路を理解しよう
(1)脱血, (2)抗凝固薬注入, (3)Aチャンバー(動脈側チャンバー), (4)中空糸内を
通過, (5)Vチャンバー(静脈側チャンバー), (6)気泡センサー
Chapter 02 ■CRRT回路・血液系圧アラームを理解しよう
圧評価もできるようになろう
● “血液系”の圧評価を理解しよう
血液系・陰圧ゾーンに問題が発生!!(患者脱血部位〜血液ポンプ), 血液系・陰圧ゾ
ーンの「脱血不良への対処」後の対処, 血液系・陽圧ゾーンの圧はあくまで血液ポンプ
と血液が流れるルートがつくる, 血液系の圧評価においてTMPや液系を考慮にいれな
い, 血液流量とCRRT回路圧の関係, ろ液流量とCRRT回路圧の関係, なぜろ液流量
を変化させても入口圧・返血圧はほぼ変化しないのか?, 圧が及ぶ範囲であれば閉塞部
位より上の全ての部分の圧が上がるルール, 回路内圧形成を理解するために重要なイ
メージ, Pressure Drop(?P)循環パイプにおける圧損失
● 血液系・陽圧ゾーンの圧理解・アラーム理解
血液系・陽圧ゾーン高圧アラーム, 血液系高圧アラーム対応, 血液系・陽圧ゾーン低
圧アラーム, 血液系低圧アラーム対応,
コラム 最新ECMO機器における回路内圧評価
Chapter 03 ■CRRT回路液系ツアー ろ過駆動圧としてのTMP
液系回路を考える, 透析液は血液と逆方向に流す, クジラの舌にある対向式熱交換器,
TMP(transmembrane pressure:膜間圧力差)とは, なぜ中空糸外は下流圧のみ測
定するのか?
●リアルTMP理解
モデル(1)〜モデル(5)
●「ろ過圧」という言葉を考える─
リアルろ過圧, モデル(6), モデル(7), ろ過圧
コラム なぜ血液の流れを下方向(↓)透析液の流れを上方向(↑)になるようにヘモ
フィルターを配置するのか?
Chapter 04 ■CRRT回路液系ツアー 膜孔閉塞指標としてのTMP
●リアル膜孔閉塞・TMP理解
モデル(1)〜モデル(15)
●結局TMP値の解釈方法は?
コラム CRRT機器画面撮影のすすめ・CRRT回路圧解釈の実際
Chapter 05 ■透析液は「さまざまな思惑がこもった」組成
体内から十分に除去したい!!物質, 一定の値を保ちたい!!物質, 体内で不足して
いるので十分補充したい!!物質
Chapter 06 ■世界の急性期血液浄化治療は?
アメリカ, ヨーロッパ, 日本, CRRTに関する世界的調査?, CRRTモード, 抗凝
固薬, 免疫調節(Immunomodulation), 血液流量, 血液浄化量, 体重による血液
流量・血液浄化量設定, CRRTに関する世界的調査?
Chapter 07 ■CRRT保険制限
(1)出来高払い方式, (2)DPC(Diagnosis Proceduce Combination:包括医療支払制
度),保険のしばりを言い訳にせずに……
Chapter 08 ■薬物動態学を少しかじりながら
分子量と透析(HD)・CRRT, ビリルビンは透析で除去される?, カテコラミンは透
析で除去される?, そもそもターゲットは血管内にあるか?, 半減期の有効な利用法
コラム IV Lipid Emulsion(リピッド レスキュー・Lipid RescueTM)
Chapter 09 ■Dr.Roncoを追いかけて……
CHFでサイトカインは抜けるのか? Yes or No?
血液中サイトカイン濃度は減るのか? Yes or No???
血液浄化量アップ作戦の成果は?, 実際,CRRTにより血液中サイトカイン濃度は低下
するのか?, 何故CRRTによりサイトカインは排出されるのに血液中サイトカイン濃
度は変わらないのか?, Peak concentration hypothesis, HVHF(高流量CHF)も結
果がでず……, Dr. Roncoがついに……, 時代の潮流は変わり……, 最後に……
Chapter 10 ■エンドトキシン吸着療法の適応・コスト
エンドトキシンの自然界分布, エンドトキシンは内毒素(endotoxin)なのか外因性ホ
ルモンなのか?, エンドトキシン恐怖症候群, DPC制度におけるエンドトキシン吸着
療法
Chapter 11 ■エンドトキシン吸着療法の仕組み・効率・RCT
●エンドトキシン吸着療法が効果を発揮する仕組み
●どれくらい血中エンドトキシン濃度が低下するのか?
(1)エンドトキシン吸着療法開発者らによる発売開始前の報告(1993年), (2)敗血症
性多臓器不全症例を対象とした報告(2007), (3)その他
● 近年行われたエンドトキシン吸着療法の多施設RCT
●日本のDPCデータを用いた後ろ向き研究
●最終決戦? となるかもしれない多施設RCT
Chapter 12 ■エンドトキシン吸着療法にまつわる議論
コラム スペースシャトルと未来予測
Chapter 13 ■確立したとは言い難いエンドトキシン濃度測定
エンドトキシン濃度測定の歴史, 比濁時間分析法によるエンドトキシン濃度測定, 比濁
時間分析法への批判, ニューカマーESP(Endotoxin scattering photometry), 欧
米では, EAATMとは, 比濁時間分析法とEAAに相関関係はない, 結局どうする?
Chapter 14 ■ナファモスタット(フサンⓇ)都市伝説
“東洋の神秘”ナファモスタットに迫ってみましょう, そもそもナファモスタットの本当
の半減期は?, 当時の多くの論文では, ナファモスタット持続注入中の血中濃度推移,
血液浄化と凝固薬, 透析における抗凝固薬を評価するための採血部位と濃度の関係,
透析中ナファモスタットの回路内濃度・血中濃度の予測, 透析中ヘパリンの回路内濃
度・血中濃度の予測, 局所ヘパリン化療法, 「ナファモスタットは抗凝固作用をほぼ
透析回路内に限局させることができる」の真の意味は?, DIC薬・急性膵炎薬としての
疑問, ナファモスタットの副作用
コラム ナファモスタットと保険適応
Chapter 15 ■抗凝固薬モニタリングと採血部位
CRRTとナファモスタット, CRRTとヘパリン, ACTとAPTT
Chapter 16 ■透析患者が脳出血を合併したら
なぜ持続的血液ろ過が推奨されたのか?, 無凝固薬血液浄化, 本症例のその後の経過
Chapter 17 ■真のエンドポイントとサロゲートエンドポイント(代用指標)
だから治療はどうでもいいということではなくて……, 真のエンドポイントとサロゲー
トエンドポイント, 予後はあくまで長期死亡率で判定
エピローグ 小さなことに魂は宿る
参考書籍
文 献