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エビデンスに基づくボツリヌス治療
上肢・下肢痙縮に対するリハビリテーションの最適化のために
筆頭著者 安保 雅博(監修) 原 寛美 髙橋 忠志 (編集)
三輪書店
電子版ISBN
電子版発売日 2022年5月23日
ページ数 256
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-89590-751-4
印刷版発行年月 2022年5月
書籍・雑誌概要
ボツリヌス治療+リハビリテーション
適切な痙縮治療とさらなる機能改善を目指すための基礎〜実践的な知識が詰まった一冊!
ボツリヌスによる痙縮治療には、リハビリテーションを併用することが必須である。適切なリハビリテーションを行うには痙縮の病態と臨床症状を知り、ボツリヌスの作用機序等の基礎的な知識を持つことが必要である。
本書はボツリヌス治療とリハビリテーションによる適切な上肢・下肢の痙縮治療と、さらなる機能改善を目指すために欠かせない理論と実践の知識が詰まった手引書である。
目次
監修の言葉
序
本書で統一している用語
第1章 痙縮とボツリヌス治療の基礎
1-1 痙縮の病態とボツリヌス治療・・・原 寛美
1. 痙縮の病態・生理 2. 誤った神経可塑性と, 末梢における筋の粘弾性増加による痙縮の発現メカニズム 3. 脳卒中後の運動麻痺回復ステージ理論と痙縮の発現時期 4. 脳卒中における痙縮発現時期と頻度 5. 臨床における痙縮の評価法 6. 脳卒中後上肢痙縮・下肢痙縮へのボツリヌス毒素製剤の早期介入と投与の実際
1-2 ボツリヌス治療の基礎・・・向井洋平, 梶 龍兒
1. ボツリヌス毒素 2. 神経毒素成分 3. 無毒成分 4. ボツリヌス毒素製剤 5. B型ボツリヌス毒素製剤 6. ボツリヌス毒素製剤による治療に反応しない症例 7. ボツリヌス毒素製剤の冷蔵もしくは冷凍保存による活性の変化 8. ボツリヌス毒素製剤による痙縮の治療 9. ボツリヌス毒素による治療の実際
1-3 ボツリヌス治療の施注技術と注意点(超音波エコーガイド,筋電針)・・・原 貴敏
1. 施注方法と各注意点 2. 施注方法に関するEBM 3. 施注方法に関するup to date
1-4 痙縮の特徴と投与分配(Wernicke-Mann肢位,握りこぶし,内反尖足,claw toe など)・・・和田義敬, 川手信行
1. 痙縮の特徴 2. A型ボツリヌス毒素製剤の投与部位・投与量の選定
1-5 ボツリヌス治療の反復投与効果および治療計画・・・竹川 徹
1. 脳卒中後の上肢痙縮への反復投与効果および治療計画 2. 脳卒中後の下肢痙縮への反復投与効果および治療計画 3. rTMSとの併用効果および治療計画
第2章 ボツリヌス治療を行う前に知っておきたい知識
2-1 痙縮発生後の関節可動域制限のメカニズム・・・沖田 実
1. 脳血管疾患と関節可動域制限 2. 脳血管疾患にみられる関節可動域制限の病態 3. 関節可動域制限のメカニズム
2-2 痙縮発生後の痛みのメカニズム・・・坂本淳哉
1. 痙縮発生後の痛みの実態 2. 痛みの基礎 3. 痙縮発生後の痛みの発生メカニズム
2-3 上肢ボツリヌス治療に併用する治療機器・・・唐渡弘起
1. ボトムアップアプローチ 2. トップダウンアプローチ:rTMS
2-4 歩行の神経機構・バイオメカニクス・筋電図・・・大畑光司
1. 歩行のバイオメカニクス 2. 歩行の神経機構 3. 歩行調整のメカニズム 4. 片麻痺歩行の特性
2-5 ボツリヌス療法における多職種連携とチームビルディング・・・髙橋忠志, 栗田慎也, 尾花正義
1. ボツリヌス療法とチーム医療 2. 当院のボツリヌス療法の流れ 3. 施注直後のリハビリテーション
第3章 ボツリヌス治療とリハビリテーション
ボツリヌス治療とリハビリテーション文献レビュー・・・原 貴敏
1. 上肢・下肢痙縮に対するリハビリテーション文献レビュー 2. 上肢痙縮に対するリハビリテーション文献レビュー 3. 下肢痙縮に対するリハビリテーション文献レビュー 4. 痙縮に対する体外衝撃波治療(ESWT)の文献レビュー 5. 脳卒中後疼痛に対するボツリヌス療法の文献レビュー 6. まとめ
第4章 下肢に対するボツリヌス療法
4-1 ボツリヌス療法における理学療法・・・髙橋忠志
1. 理学療法評価と施注筋提案 2. ボツリヌス療法における理学療法治療 3. ボツリヌス療法における下肢装具とトレーニング
4-2 ボツリヌス治療と下肢装具脱却へのプロセス・・・島本祐輔
1. 下肢装具脱却に向けたボツリヌス治療計画と評価 2. 下肢装具脱却に向けた当院での取り組み 3. 時期別における下肢装具脱却の考え方
第5章 上肢に対するボツリヌス療法
ボツリヌス療法における作業療法・・・唐渡弘起
1. ボツリヌス療法の流れ 2. 症例提示
第6章 ボツリヌス治療と介護負担軽減
ボツリヌス治療と介護負担軽減(開排制限,手指など衛生管理)・・・勝谷将史
1. 痙縮の影響と頻度 2. 生活への影響の評価 3. 痙縮による介護への影響 4. 介護負担軽減を目的としたボツリヌス治療の戦略 5. ボツリヌス治療における療法士の役割 6. 症例提示
巻末資料
索引
コラム
「自分らしさ」を取り戻すためのボツリヌス療法と下肢装具・・・髙橋あき
痙縮・ボツリヌス治療の啓発活動
・市中在住痙縮者に対するボツリヌス装具運動療法研究会(CORABOSS)・・・勝谷将史
・痙縮の患者・家族会について・・・室谷嘉一
・地域の痙縮患者を救うプロジェクトーJ-BATTERY seminar・・・髙橋忠志, 小磯 寛, 尾花正義