書籍・雑誌概要

2004年から刊行し，基本的な手術書として好評いただいた『執刀医のためのサージカルテクニック』から10数年を経て，今の時代に即した手術内容で新シリーズとして刊行。
助手を経て，いざ執刀医になったとき，術前にどのような心構えや準備をすればいいのか，術中に最も気をつけるべきことは何か，これらをきちんと理解し，整理できるよう，経験豊富な臨床医からのアドバイスや執刀医のニーズに応える情報を満載。手術の流れとペース配分が理解しやすいように，手術を「起承転結」の4段階に分けて解説している。
本巻『脊椎』では，脊椎・脊髄手術の基本的な手技について，特に執刀医になりたての医師が経験することが多い疾患について，基本である固定術・除圧術から，内視鏡下手術（MED），XLIFやOLIFまでを，オールカラーの紙面に豊富なイラストでわかりやすく紹介。各項目では，臨床の最前線で活躍している医師が実際に経験して得た知識を，「アドバイス」や「ピットフォール」として随所に掲載している。執刀医となったその日から即役立つ，必携の一冊！

目次

■執刀医の心得　　　　德橋泰明
■腰椎椎間板ヘルニアに対する髄核摘出術（いわゆるLove法）　　網代泰充
　皮切～椎弓間の展開
　椎弓間開窓～黄色靱帯の切除
　神経根の確認・レトラクト～ヘルニア摘出
　椎間板内郭清～創閉鎖
■腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下椎間板摘出術（MED）　　大島正史
　各部位の確認～皮切
　オリエンテーションの把握～内視鏡の設置
　椎弓切除～黄色靱帯切除
　ヘルニアの摘出～創閉鎖
■腰部脊柱管狭窄症に対する棘突起縦割式椎弓切除術　　渡辺航太
　縦割する棘突起の決定～皮切
　棘突起先端の展開～棘上・棘間靱帯の縦割
　除圧部の展開～除圧
　閉創～術後の合併症とその対応策
■腰椎変性疾患に対する後側方固定術（PLF）　　和田明人
　皮切～腰椎後方要素の展開
　後方除圧
　椎弓根スクリューの挿入～骨移植
　ロッドの締結～創閉鎖
■腰椎変性すべり症に対する後方進入椎体間固定術　　曽雌　茂
　皮切～椎間関節，横突起の展開
　除圧
　スクリューの挿入～ケージ，移植骨の挿入
　ロッドの挿入・締結～閉創
■頚椎症性脊髄症に対する片開き式椎弓形成術，後方固定術　　上井　浩
　皮切～棘突起および椎弓の展開
　インストゥルメンテーションの設置～骨溝作製
　除圧操作
　開大椎弓の固定・保持～創閉鎖
■頚椎症性脊髄症に対する棘突起縦割式椎弓形成術（T-saw laminoplasty）　　永島英樹
　皮切～展開
　T-sawの挿入～棘突起縦割
　側溝の作製～椎弓の拡大
　棘突起スペーサーの設置～閉創
■頚椎症性神経根症，脊髄症に対する前方除圧固定術　　吉井俊貴，大川　淳
　皮切～椎体，椎間板の展開
　椎間板切除～椎間孔の除圧
　骨移植～プレーティング
　閉創～術後
■骨粗鬆症性椎体骨折に対するBalloon kyphoplasty　　松崎英剛
　皮切
　経路作製
　バルーンの拡張
　セメントの充填～創閉鎖
■骨粗鬆症性椎体骨折偽関節に対する椎体形成術併用の後方固定術　　川口善治
　皮切～胸腰椎後方の展開
　ペディクルスクリューの挿入～アンカーの設置
　椎体形成～後方除圧
　インストゥルメンテーションの完成～創閉鎖
■胸腰椎移行部脊椎外傷に対する後方固定術　　時岡孝光
　皮膚のマーキング
　皮切～スクリュー挿入
　Trauma instrument setの取り付け～ロッドの挿入とセットスクリューの設置
　最終締結～創閉鎖
■転移性脊椎腫瘍に対するMISt（最小侵襲脊椎安定術）　　中西一夫
　皮切
　スクリューの挿入
　除圧
　インストゥルメンテーションの設置・完成～創閉鎖
■環軸椎亜脱臼に対する後方固定術　　水谷　潤
　腸骨採取～環軸椎の展開
　スクリュー挿入
　整復操作とインプラント締結～骨移植，オーバーヘッドコネクター締結
　ドレーン留置と閉創
■XLIFⓇ（eXtreme Lateral Interbody Fusion）　　細金直文
　採骨～後腹膜腔の展開
　ダイレーターの挿入～開創器の設置
　椎間板の掻爬～トライアルの挿入，サイズ決定
　ケージの挿入～創閉鎖
■腰椎変性側弯症に対するOLIF（oblique lateral interbody fusion）　　江幡重人
　皮切～大腰筋付近の展開
　大腰筋と小腰筋の展開～椎間板の露出
　椎間板へのアプローチ～椎間板の摘出
　ケージ挿入～創閉鎖
■馬尾腫瘍摘出術　　山田　圭，佐藤公昭
　皮切～傍脊柱筋の展開
　椎弓切除～術中エコーでの評価
　硬膜・くも膜切開～硬膜・くも膜縫合および修復作業
　創閉鎖