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Dynamic diagnosisに必要な脊椎脊髄の神経症候学

Dynamic diagnosisに必要な脊椎脊髄の神経症候学
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筆頭著者 福武 敏夫 德橋 泰明 坂本 博昭 (編集)

亀田メディカルセンター神経内科部長/日本大学医学部附属板橋病院病院長/大阪市立総合医療センター小児脳神経外科教育顧問

三輪書店

電子版ISBN

電子版発売日 2019年3月18日

ページ数 316

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-89590-586-2

印刷版発行年月 2017年3月

DOI https://doi.org/10.18937/9784895905862

書籍・雑誌概要

「脊椎脊髄ジャーナル」で最も読まれた特集号をアップデート&12項目を書き下ろし !

 本書の元になった脊椎脊髄ジャーナルの総特集「Dynamic diagnosisに必要な脊椎脊髄の神経症候学」の特大号が発刊されたのは2005年5月のことである。雑誌の命は書籍よりも短く、1年もすれば忘れ去られることも多い中で、この特大号は10年以上にわたって売れ続け、同誌の中では販売部数が最も多い号となっている。これは画像検査や種々の機器検査、生化学的検査や遺伝子検査が飛躍的に発展を遂げてきている現今においても、「病歴と診察に何度も立ち返らないと良い診療ができない」という臨床現場の医師の実感が生きている証拠と考えられる。
 本書は先の総特集を当時の著者たちと一部の新しい著者たちによって、新しく改版したものである。各著者は、神経内科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、放射線科、リハビリテーション科などを専門とするため、本書は多角的な視点で執筆されているという特長ももつ。本邦初の脊椎脊髄に特化した神経症候学の書籍の誕生である。項目には、最近注目されている領域の何本かの論文(Surfer's myelopathy、強直性脊椎炎、仙腸関節炎、視神経脊髄炎、脊髄サルコイドーシス)も新たに追加している。
 当然ながら、私たちは前記の臨床現場の医師の実感を噛みしめながらも、機械的技術の成果を捨て去るわけにはいかない。Dynamic diagnosisと称したのは、臨床的技術(病歴聴取と神経学的診察)と機械的技術とをダイナミックに結びつける、新時代の神経症候学を提唱するためである。本書が外来診察室やベッドサイドで有効に利用され、そうした症候学が根付き、発展することを期待したい。

目次

第1章 診察のこつ
 病歴聴取および診察のポイント―整形外科から…米延策雄
 病歴聴取および診察のポイント―脳神経外科から…橘 滋國
 病歴聴取および診察のポイント―神経内科から…福武敏夫

第2章 部位別の神経学
 大後頭孔の症候―大後頭孔症候群・・・北原功雄, 谷口 真, 高橋 宏
 上位頸椎部障害の神経症候・・・鈴木直樹, 清水克時
 C3/4高位障害の特徴・・・安藤宗治, 川上 守
 中下位頸椎の症候―神経根症, 脊髄症の臨床的特徴と高位診断の指標・・・田中靖久
 上中位胸椎の神経症候・・・佐藤哲朗
 下位胸椎, 上位腰椎の神経症候・・・小田 博, 德橋泰明
 腰仙椎部(馬尾)の神経症候・・・田口敏彦, 金子和生

第3章 脊椎脊髄病変との鑑別診断
 脳血管障害と脊椎脊髄病変との鑑別・・・安井敬三, 長谷川康博
 Parkinson病と脊椎脊髄病変との鑑別・・・山川一夫, 田中茂樹
 神経叢疾患と脊椎脊髄病変との鑑別・・・園生雅弘
 末梢神経疾患と脊椎脊髄病変との鑑別・・・長岡正宏
 筋疾患と脊椎脊髄病変との鑑別・・・若田宣雄
 胸痛・腹痛を呈する内臓疾患と脊椎脊髄疾患との鑑別・・・亀山 隆
 心因性疼痛―新たな視点に立った解釈と層化の実際・・・松平 浩, 笠原 諭, 竹下克志, 髙橋直人, 矢吹省司

第4章 脊椎脊髄疾患の病理学的分類からみた神経症候
 脊椎脊髄先天奇形・・・谷 諭
 脊椎脊髄腫瘍・・・小川祐人, 千葉一裕, 戸山芳昭
 頸椎変性疾患・・・鎌田修博
 腰部脊柱管狭窄症・・・佐藤公昭, 永田見生
 頸椎部flexion myelopathy・・・中前稔生, 藤本吉範
 強直性脊椎炎と仙腸関節炎・・・森信暁雄
 脊髄サルコイドーシス・・・安藤哲朗
 多発性硬化症(MS)・・・藤原一男
 視神経脊髄炎(NMO)・・・藤原一男
 筋萎縮性側索硬化症・・・尾野精一
 代謝性脊髄症・・・井上聖啓
 脊髄血管障害・・・高橋敏行, 花北順哉, 南 学, 大竹安史
 脊椎脊髄損傷の神経学的診断・・・村田雅明
 特発性脊髄ヘルニア・・・相澤俊峰
 脊髄空洞症・・・久保田基夫, 山浦 晶

第5章 脊椎脊髄疾患における注目すべき症状
 脊髄・末梢神経由来の慢性疼痛・・・谷口 真
 脊椎脊髄疾患とめまい・・・山田和雄, 大蔵篤彦, 西尾 実
 Dropped head syndrome(首下がり症候群)・・・齋藤豊和
 下垂腕徴候・・・中嶋秀明, 髙橋 藍, 竹浦直人, 馬場久敏
 Myelopathy hand・・・和田英路, 米延策雄
 頸部神経根症による下垂指(drop fingers)・・・田中靖久
 Surfer's myelopathy・・・小栁貴裕
 腰痛,下肢痛・・・紺野愼一
 脊椎脊髄疾患における歩行障害・・・市川博雄
 歩行障害と間欠跛行・・・里見和彦
 下垂足・・・橋爪 洋, 吉田宗人
 皮膚自律神経症状・・・朝比奈正人, 鈴木淳也, 福武敏夫, 服部孝道
 膀胱直腸障害, 排尿障害・・・山西友典

第6章 脊椎脊髄疾患における神経症候と検査所見の対応
 髄内病変のMRI―髄内腫瘍と脊髄腫大をきたす非腫瘍性疾患・・・井上佑一, 田代敬彦, 中山圭子, 横手宏之, 小澤望美, 北村賀永子, 大畑建治
 電気生理学的検査との対応・・・川端茂徳, 四宮謙一
 髄液検査・・・石津尚明, 吉良潤一

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