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終末期リハビリテーションの臨床アプローチ
筆頭著者 安部 能成 (編集)
メジカルビュー社
電子版ISBN
電子版発売日 2017年11月20日
ページ数 336
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-7583-1718-4
印刷版発行年月 2016年9月
書籍・雑誌概要
超高齢社会であるわが国は,近い将来に多死社会を迎える。増加する終末期患者がより良いQOLを獲得して最期まで輝いた人生を全うするために,また介護負担軽減のためにも,終末期リハビリテーションはかかせないものとなる。
本書は,病院,ホスピス,在宅といった治療場面別に,終末期リハビリテーションの実際を解説した書籍である。終末期リハビリテーションに必須であるチームアプローチについて,医師,看護師,理学療法士,作業療法士といった多職種の執筆者が,各職種が行っていること・行えること,また他職種に行ってほしいことなどを,それぞれの視点から解説している。リハビリテーション専門職だけではなく,終末期患者に携わる医療職全般にお勧めの書籍である。
目次
1 終末期リハビリテーションと緩和ケア
1 終末期リハビリテーションとは何か?
リハビリテーション小史:終末期リハビリテーションを理解するために
医学的リハビリテーションの定義
医学的リハビリテーションの方向性
終末期リハビリテーションの定義
終末期リハビリテーションの特色
終末期リハビリテーションの対象
終末期リハビリテーションの方法
終末期リハビリテーションの展開
2 がん患者に対する緩和ケアと医学的リハビリテーション
はじめに
がん,希少がんとリハに関するセラピストの意思決定
緩和ケア
転移がん(脳転移,骨転移)
疼痛
創作活動
患者会/家族会
多職種との連携
3 非がん患者に対する緩和ケアと医学的リハビリテーション
はじめに
総論:疾患経過
循環器疾患
呼吸器疾患
脳血管障害
難病
認知症および老化による衰弱
二次性の障害:不活発な生活は病気か?
おわりに
2 病院における終末期リハビリテーション
1 ICU:職種の垣根を越えて生と死に向き合う
はじめに
当院ICUに必要とされるリハビリテーション専門職となるために
当院ICUでの日常:生と死の狭間で
おわりに
2 大学病院におけるがんの作業療法の実際と緩和ケアチームとのかかわり
はじめに
当院のリハビリテーションについて
がん患者のリハビリテーションについて
緩和ケアチームとリハビリテーションとのかかわり
作業療法の実際
リハに緩和ケアチームがかかわることによるメリット
緩和ケアにリハがかかわることによるメリット
多職種へのメッセージ
おわりに
3 治療病棟から地域への移行
はじめに
目標設定
院内でのアプローチ
在宅での介入につなげる
おわりに
4 呼吸リハビリテーションのアプローチ
はじめに
終末期における息苦しさと呼吸リハビリテーションの役割
終末期呼吸リハビリテーションの実際
おわりに
3 ホスピスにおける終末期リハビリテーション
1 在宅緩和ケアでのリハビリテーション
はじめに
緩和リハビリテーションとは
緩和リハビリテーションに必要な理論と技術
臨死期の緩和リハビリテーション
おわりに
2 英国のデイホスピスとわが国の緩和デイケアの取り組み
はじめに
英国におけるホスピス緩和ケアサービスの展開
新たなアプローチ「通所型」ホスピスの誕生とその機能
デイホスピスにおける心身のリハビリテーションアプローチ
St. Christopher's Hospiceのデイケアとその活動
わが国の緩和ケア事情とデイホスピス
動き出したわが国の緩和デイケア
3 ホスピス
はじめに
一般的リハビリテーションと終末期リハビリテーションの相違点
スピリチュアルケアへの理解
リハビリテーションとホスピス
ホスピスにおける実践
セラピスト特有の患者との距離感
診療報酬上の解釈
おわりに
4 在宅ホスピス緩和ケアの地域性
はじめに
各施設における在宅ホスピス緩和ケア
おわりに
4 在宅における終末期リハビリテーション
1 地域におけるリハビリテーションの活用
はじめに
かとう内科並木通り診療所の展開
世界各国の医療制度と終末期リハビリテーション
英国の近代ホスピスからの発想
地域医療と入院医療の特徴
高齢者医療はデイホスピタルからデイホスピスへ
緩和医療の教育
終末期リハビリテーションのポイント
おわりに
2 地域リハビリテーションにおけるスキルミックス
はじめに
今,地域における医療・介護はどうなっているのか
地域リハビリテーションにおける終末期のとらえ方
地域リハビリテーションにおけるスキルミックスの考え方
スキルミックスの実際
事例紹介
満足のいく最期を迎えるために
地域を知るために「プロボノ」をしよう
おわりに
3 地域リハビリテーションの実像
はじめに
病院緩和ケアと在宅緩和ケアの違い:リハの視点から
在宅における終末期リハビリテーションの臨床ポイント
在宅緩和ケアに訪問作業療法士としてたずさわった事例
まとめ・考察
4 地域におけるチーム医療
はじめに
在宅におけるチームケア
チームアプローチ
在宅がんリハビリテーション
終末期リハビリテーション
地域のチーム医療における各専門職の役割
在宅がんリハビリテーションの実際
症例紹介
今後の地域における在宅がんリハビリテーション
まとめ
5 難病患者へのリハビリテーションの取り組みについて
はじめに
難病とは
事業所立ち上げの理由
神経・筋疾患患者からの相談
当事業所の支援の取り組み
6 リハ専門職がかかわる意思決定支援:療養場所の選択
はじめに
「意思決定」の支援者としてのリハビリテーション専門職
意思決定の支援とは
がん治療病院からホスピス・緩和ケア病床への移行時の課題
終末期に向かうがん患者と家族の心理社会的課題
終末期の療養場所についての意思決定への支援
まとめ
5 家族・遺族とのかかわり
1 リハビリテーション専門職への期待
はじめに
症例①:Aさん,歳代男性,一人暮らしで入院中
症例②:Bさん,歳代女性
まとめ
2 遺族会への取り組み
はじめに
グリーフケアとは
小児がん患者の遺族会「いちご会」立ち上げの経緯
対象
方法
結果
考察
今後の課題
おわりに
3 リハビリテーション病院から在宅へ
スピリチュアルペインとの出会い
緩和ケア病棟から在宅へ
まとめ
4 リハ専門職のもつトータルヘルスプランナーとしての可能性
はじめに
トータルヘルスプランナーとは
終末期患者の在宅ホスピス緩和ケアとは
在宅ホスピス緩和ケアでの多職種ケアとTHPの役割
症例紹介
リハビリテーション専門職がTHPになるためには
おわりに