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終末期の褥瘡

終末期の褥瘡
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筆頭著者 真田 弘美(監修) 石澤 美保子 玉井 奈緒 (編集)

南山堂

電子版ISBN 978-4-525-98586-8

電子版発売日 2025年3月21日

ページ数 177

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-525-50621-6

印刷版発行年月 2025年3月

DOI https://doi.org/10.15104/9784525506216

書籍・雑誌概要

適切な予防やケアを行っていてもなお不可避な,終末期に特徴的な褥瘡があることは知られつつありますが,終末期でも褥瘡予防やケア自体は有効で,それを行うことが無意味ということでは決してありません.また一言で終末期といっても,その経過はさまざまで,注意すべき点も異なります.本書では,これまでの海外およびわが国の褥瘡対策をふまえて,終末期を「超急性」「がん」「超高齢」の3つに大きくわけて考えました.それぞれ終末期の病態,褥瘡発生リスクや予防,治癒を目指せないような状況で本人の苦痛を減らすために何ができるかなどについて解説し,さらに,在宅での対応や,今後の展望についても示しています.終末期のケアは無意味じゃない,適切にケアを行っていても褥瘡ができてしまった時は自分を責めず,チームの仲間たちと患者さんの尊厳を保つケアを続けましょう,安心してそんな実践ができる環境を皆で整えていきましょうという,多職種プロフェッショナル達からのエールの詰まった一冊です.

目次

1章 わが国における褥瘡の取り組み
 A.褥瘡対策の変遷 真田 弘美
  1.褥瘡を床ずれといわないでほしい
  2.褥瘡裁判が看護師の意識を変えた
  3.褥瘡は看護の恥といわれた時代
  4.ET ナースの勇気ある褥瘡治療への挑戦
  5.褥瘡管理におけるET 活動と皮膚科医との確執
  6.バーンアウトだった看護師たちにもたらしたイノベーション
  7.多職種連携の先駆けとなった褥瘡ガイドラインの発行
  8.日本褥瘡学会の創設
  9. ET 協会の勉強会が日本創傷・オストミー・失禁管理学会に改組され法人化
 B.わが国における褥瘡の疫学 紺家 千津子
  1.褥瘡有病率の推移
  2.実態調査より見えた特徴
  3.わが国における褥瘡対策の課題
 C.日本褥瘡学会の取り組みと今後の課題 館 正弘
  1.日本褥瘡学会の歴史と現状分析
  2.将来の課題

2章 終末期と褥瘡
 A.終末期医療の考え方と倫理 貝谷 敏子
  1.終末期医療とは
  2.終末期医療の目的
  3.終末期医療の実践
  4.終末期医療の倫理
 B.日本と海外の違い(終末期褥瘡の定義) 玉井 奈緒
  1.海外の状況
  2.日本の状況
 C.終末期の褥瘡のとらえ方 ―超急性,がん,超高齢者で分ける考え方を中心に― 大桑 麻由美
  1.終末期・エンドオブライフ期の褥瘡のとらえ方とは
  2.超急性
  3.が ん
  4.超高齢者
 D.終末期における褥瘡とリハビリテーション 日髙 正巳
  1.終末期リハビリテーションの基本的視点
  2.リハビリテーション・ケアの共通視点
  3.リハビリテーションの視点からの褥瘡ケアに対する関わり
 E.終末期における褥瘡と栄養管理 長谷川 陽子
  1.終末期における栄養状態
  2.終末期における栄養管理
  3.多職種連携

3章 終末期の褥瘡の管理
 A.褥瘡のリスクアセスメント・DESIGN-R?2020 須釜 淳子
  1.リスクアセスメント
  2.褥瘡状態評価
 B.基本的な褥瘡予防・ケア 西林 直子
  1.スキンケア
  2.体位変換・ポジショニング
  3.ポジショニングケア用品や体圧分散用具を上手に活用する
 C.超急性の経過をたどる終末期の褥瘡
 超急性の経過をたどる終末期の病態と褥瘡治療 藪野 雄大
  1.超急性期における終末期
  2.救急・集中治療における褥瘡
  3.超急性期において終末期となりうる疾患ならびに褥瘡との関連性
  4.症例提示
 救急・集中治療領域における終末期の褥瘡とケア 志村 知子
  1.救急・集中治療領域における終末期とは
  2.急性重症患者に特有の病態と皮膚への影響
  3.急性重症患者の褥瘡発生の現状
  4.急性重症患者の褥瘡リスクアセスメント
  5.急性重症患者の体圧分散ケア
  6.急性重症患者のスキンケア
  7.栄養管理
  8.患者と患者の重要他者に対する支援
  9. 急性重症患者における「不可避褥瘡(UPI)(旧名称:防ぎきれない褥瘡)」について考える
 D.がん終末期の褥瘡
 がん終末期の病態と褥瘡治療 清原 祥夫
  1.倫理的視点に基づいた目標設定(アウトカム
  2.がん終末期の病態と褥瘡との関係
  3.がん終末期の褥瘡治療
 がん終末期の褥瘡ケア 青木 和惠
  1.がん終末期の褥瘡
  2.緩和ケアとしてのがん終末期の褥瘡ケア
  3.緩和ケアとしての褥瘡ケア(がん終末期の褥瘡ケア)の実際
 E.超高齢者の終末期の褥瘡
 超高齢者の終末期と褥瘡 磯貝 善蔵
  1.超高齢者の終末期と褥瘡発生の関連性
  2.超高齢者の終末期の基礎知識
  3.褥瘡を有する終末期超高齢者への包括的な視点
  4.特徴的な終末期患者の褥瘡
  5.褥瘡を有する終末期高齢者の診療方針を決定するために
 超高齢者の終末期の褥瘡のリスク・予防・感染管理 仲上 豪二朗,阿部 麻里
  1.超高齢者の終末期に特徴的な褥瘡のリスク
  2.超高齢者の終末期の褥瘡予防
  3.感染制御に着目した褥瘡ケア
 超高齢者の終末期の褥瘡のケア 南 由起子
  1.日本における超高齢者の終末期に関連した情報
  2.超高齢者の褥瘡管理の実際
  3.在宅での終末期の超高齢者の症例

4章 在宅における終末期の褥瘡 岡部 美保
 A.病院から在宅へ終末期褥瘡のケアのポイント
  1.在宅療養者の終末期における不可避褥瘡(UPI)
  2.在宅療養者の終末期における褥瘡発生要因
  3.在宅療養者の終末期における褥瘡の特徴・観察・ケアのポイント
 B.在宅における家族支援
  1.終末期の褥瘡ケアにおける療養者と家族
  2.在宅における終末期褥瘡との向き合い方
  3.在宅療養者の終末期における局所ケア
  4.在宅多職種チームによる支援

5章 今後の展望 石澤 美保子
 第5 回実態調査結果と今後の展望
  1.日本褥瘡学会と実態調査
  2.第5 回実態調査と終末期の褥瘡
  3.第5 回実態調査結果
  4.終末期の褥瘡に関する今後の展望

 Column 終末期褥瘡ケアに役立つ技術:サーモグラフィ 北村 言
 Column 終末期褥瘡ケアに役立つ技術:ウンドブロッティング 峰松 健夫
 Column 終末期褥瘡ケアに役立つ技術:エコー 松本 勝

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