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胆道疾患を診る医師のための胆道病理テキスト
筆頭著者 中沼 安二 (編著)
静岡県立静岡がんセンター参与
南江堂
電子版ISBN 978-4-524-28668-3
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 296
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-524-26188-8
印刷版発行年月 2015年9月
書籍・雑誌概要
好評書『肝臓を診る医師のための肝臓病理テキスト』の姉妹書.臨床の観点から必要とされる胆道病理の基礎的・実践的な内容を網羅.数多くのカラー写真と第一人者による実践的な解説で,臨床に必要な病理の知識が確実に身につく.研修医・消化器科医の教科書としてだけでなく,専門医の知識を深める参考書としても活躍必至.胆道を診る“すべての医師”におすすめの病理テキスト.
目次
【内容目次】
I章 解剖と発生
A 胆道系の解剖
A.胆道の解剖と組織
B.生 理
B 胆道系の発生
A.胆道系の発生
B.胆道系発生の分子制御と細胞系譜
C.胆道系の形成異常
C 肝内胆管,肝外胆管,腸管の接点の解剖学
A.肝内胆管と肝外胆管の細胞起源
B.アルブミンを発現した細胞のマウス肝における追跡
C.胆道病理との関連
II章 胆道病理の基礎:疾患や病変の成因と成り立ち
A 細胞傷害,反応性変化と炎症の基礎病理
A.胆道上皮の細胞傷害と反応性変化
B.胆道および胆道上皮の保護・防御機構とその破綻
C.活性化胆道上皮と病態形成
D.胆道ステム細胞の関与
E.胆道の炎症および線維化
B 成因に基づく胆道系疾患の病理
1 成因別にみた胆道系疾患(コランギオパチー)の病理
A.遺伝性・先天性因子と胆道系疾患
B.感染性因子と胆道系疾患
C.免疫介在性胆道疾患
D.薬剤性・代謝性胆道疾患
E.血管性・虚血性胆管障害
F.結石症
G.閉塞性胆道疾患
H.胆道腫瘍
I.全身性疾患の部分症としての胆道系疾患
J.その他
2 複数の成因が関与する代表的な胆道系疾患
A.原発性硬化性胆管炎
B.胆道閉鎖症
C 胆道の腫瘍と腫瘍形成
1 胆道癌の危険因子
A.具体的なハイリスク疾患,病変
B.生活習慣,全身性疾患(背景疾患)
2 胆道癌の癌関連病変,前癌病変
A.発生母細胞からみた胆道癌
B.従来より知られている癌関連病変
C.最近確立された前癌病変,早期癌病変
3 発癌の分子病理
A.胆道上皮傷害と発癌
B.癌関連遺伝子の関与
C.無制限な細胞増殖
D.細胞老化と発癌
4 胆道癌の進展と分子機構
A.胆管・胆道癌の進展と癌の微小環境
B.上皮間葉転換(EMT)と胆道癌の進展
C.免疫監視機構と胆管・胆道癌の進展
D 胆道の肉眼病理所見
A.胆道壁の変化:肥厚
B.胆管・胆道腔内でのポリープ状・結節性病変
C.嚢胞,嚢胞性変化
D.胆道腔の変化
E.胆道粘膜の変化
E 膵カウンターパートを伴う胆道系疾患
A.胆道と膵の発生学的類似性,解剖学的近似性
B.膵カウンターパートを伴う胆道系疾患:具体的なアプローチ
C.新たな臓器病理の創出
III章 非腫瘍性疾患
A 胆管・胆嚢炎
1 概略
A.胆石症
B.コレステローシス
C.急性胆道炎
D.特殊な急性胆嚢炎,重篤な急性胆嚢炎
E.慢性胆管炎
2 慢性胆嚢炎と胆嚢結石症
A.胆嚢結石の種類
B.肉眼的変化,組織学的変化
C.病態形成
D.特殊な慢性胆嚢炎
E.胆嚢粘液嚢腫および胆嚢水腫
3 慢性胆管炎
3-1 硬化性胆管炎
A.原発性硬化性胆管炎
B.IgG4関連硬化性胆管炎
3-2 その他二次性の慢性胆管炎,硬化性胆管炎
A.病態の概要
B.成因・病態別分類
4 肝内結石症,総胆管結石症と胆管病変
A.肝内結石症
B.総胆管結石症
C.特殊な慢性胆管炎
D.終末期の慢性胆道障害・胆道炎
5 肉芽腫性胆道疾患,その他の感染症
A.肉芽腫性胆道疾患
B.その他の感染症
B 遺伝性胆道疾患,嚢胞性疾患
1 カロリ病
A.臨床・検査成績
B.病理像
C.病因,病態
2 胆管周囲嚢胞
A.臨床
B.病理像
C.病因,病態
D.類縁病変
E.鑑別診断
3 膵・胆管合流異常症
A.概念,臨床
B.発生機序,発癌機序
C.病理像
D.関連疾患
4 胆道閉鎖症
A.概念,疫学
B.病因
C.症状,病態
D.検査
E.病型
F.病理組織所見
G.予後
5 その他(アラジール症候群)
A.概念,疫学
B.病因
C.症状,病態
D.病理組織所見
E.鑑別疾患
C 虚血性・血管性胆管障害
A.胆管・胆道の血管支配
B.虚血性・血管性胆道障害
C.肝門部側副血行路形成に伴う胆管狭窄
D 乳頭部の非腫瘍性疾患
A.十二指腸乳頭炎(乳頭狭窄,狭窄性乳頭炎)
B.乳頭括約筋機能不全(乳頭括約筋型ジスキネジア,胆道ジスキネジア緊張亢進型)
C.乳頭部嵌頓結石
D.乳頭部からの出血,膿性胆汁の流出,粘液の排出
E.傍乳頭十二指腸憩室
F.膵胆管分離開口(重複乳頭)
G.総胆管瘤(先天性胆道拡張症III型,総胆管嚢腫)
H.十二指腸重複症,重複症性嚢胞
I.膵・胆管合流異常症
J.傍乳頭総胆管十二指腸瘻
K.先天性十二指腸閉鎖症
L.異所性膵,迷入膵
M.異所性胃粘膜
N.動静脈奇形
O.限局性アミロイド症
P.粘膜過剰置換
Q.乳頭状過形成
R.腺筋腫性過形成,腺筋腫,筋上皮性過誤腫
S.神経内分泌細胞増生
T.ブルンネル腺過形成,付属腺過形成
U.非腫瘍性ポリープ
IV章 腫瘍性疾患
A 胆道癌の病理
1 概略と特徴
A.胆道の解剖と胆道癌
B.胆道癌と炎症と前癌病変
C.胆道癌に特異な進展プロセス
2 前癌病変,早期癌病変としての管腔内腫瘍,嚢胞性腫瘍
A.胆道の前癌病変,早期癌病変の概要
B.腺腫
C.胆道内乳頭状腫瘍
D.肝粘液性嚢胞腫瘍
E.粘液産生性胆道系腫瘍
3 前癌病変,早期癌病変としての平坦型上皮内異型病変
A.歴史
B.胆管内上皮内腫瘍
C.IPNBとの違い
4 胆道癌の進展,浸潤
A.胆道癌の発育・進展の基本
B.胆道癌の壁内進展
C.胆道癌の脈管侵襲,神経周囲浸潤と壁浸潤様式
D.胆道癌の壁外浸潤
5 胆管癌,胆嚢癌
I.背景病変,臨床的背景
II.胆管癌,胆嚢癌の病理
A.胆管癌,胆嚢癌の分類
B.肉眼形態,分類
C.組織型
D.胆道癌の早期腫瘍性病変,前浸潤性病変
III.病期
6 乳頭部癌
A.臨床的背景
B.上皮内癌,早期癌
C.肉眼的形態分類
D.組織学的分類
E.浸潤癌の組織亜型
F.分子異常
G.進展,転移
H.その他:新たな分類の提唱
I.神経内分泌系腫瘍
7 職業性胆道癌
A.職業癌
B.職業・環境関連因子と胆管癌
C.印刷事業場の胆管癌
B 免疫染色,その他の染色を用いた病理診断補助,鑑別診断と予後予測
A.代表的な免疫染色
B.胆道癌の診断アルゴリズム
C.鑑別診断,補助診断
D.予後予測
C 胆道腫瘍類似病変,リンパ・間葉系腫瘍(炎症性偽腫瘍,偽リンパ腫を含む)
1 胆嚢および総胆管の腺筋腫症
A.胆嚢腺筋腫症
B.総胆管腺筋腫症
2 その他の胆道での腫瘍類似病変(ポリープ病変,胆管周囲付属腺のびまん性増殖など)
A.胆嚢ポリープ(隆起性病変)
B.粘膜過形成
C.胆管周囲付属腺のびまん性増生
D.断端神経腫
3 リンパ・間葉系腫瘍(炎症性偽腫瘍,偽リンパ腫を含む),リンパ増殖性疾患
A.リンパ系腫瘍
B.濾胞性胆嚢炎・胆管炎
C.炎症性偽腫瘍
D.間葉系腫瘍
4 乳頭部の良性上皮性腫瘍,前浸潤癌病変,腫瘍類似病変,その他
A.良性上皮性腫瘍,前浸潤癌病変
B.腫瘍類似病変
C.非上皮系腫瘍
D 転移性(結腸癌の転移,その他)
A.大腸癌転移と肝内胆管癌との鑑別
B.胆管内発育型の転移性腫瘍
V章 内視鏡下生検病理学および胆汁細胞診
A 具体的な手技および基本観察
A.経乳頭的胆管生検・細胞診
B.経乳頭的胆管生検・細胞診の成績
C.経乳頭的胆管生検・細胞診の問題点
B 胆管生検の病理(基礎,応用,反応性,悪性,境界病変)
A.概略
B.検体採取時の注意事項
C.胆管生検の病理診断の実際
D.具体例
C 胆汁細胞診,擦過細胞診
A.胆道系細胞診の現状
B.胆道系細胞診の特徴
C.胆道系細胞診の基本的細胞像と組織像との違い
D.良悪判定の実際
E.境界病変や良性胆管狭窄症例の細胞診
索引