書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。
そのとき理学療法士はこう考える
事例で学ぶ臨床プロセスの導きかた
筆頭著者 藤野 雄次 (編集)
その他の著者等 松田 雅弘/畠 昌史/田屋 雅信
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-63004-7
電子版発売日 2017年6月12日
ページ数 244
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-260-03004-5
印刷版発行年月 2017年5月
書籍・雑誌概要
経験を積んだ理学療法士は、日々の臨床での疑問にどう向き合い、なぜその評価法を選択し、どのような思考パターンで問題点を抽出・解釈して治療に結びつけているのか。本書では、対象者個人の思いや希望を受け止め、その人に合った理学療法を展開するうえでの根拠や考えかた、さらには具体的な実践法について、個性溢れる多様な事例とともに提示していく。理学療法士だからこそできることがある!
目次
第1章 理学療法の意義
1 理学療法士ができること
2 理学療法は主訴から始まる
3 評価や治療のなぜ?を考える
4 包括的リハビリテーションとは
5 スペシャリストとジェネラリスト
第2章 クリニカルリーズニング(臨床推論)
1 クリニカルリーズニングとは
2 動作分析のポイントと落とし穴
3 脳画像の活用
4 単純X線画像の活用-運動器について-
5 心エコー検査結果をどう活用するか
6 血液検査結果をどう活用するか
7 投薬状況にどう対応するか
8 文献の活用
第3章 現場で活きるリスク管理
1 病気がある人にとって運動は危険?
2 急性期と生活期ではリスク管理の重要性は異なるのか?
3 理学療法士がなすべきリスク管理とは何か
4 診て,触れ,聞く-フィジカルアセスメントの重要性-
第4章 評価をどう活用するか
中枢神経疾患
1 脳卒中の機能評価
2 Pusher 現象の評価(SCP,BLS)
3 半側空間無視と注意機能の評価(BIT,CAT)
4 バランス能力評価(BBS,FRT,TUG)
5 動作分析(治療につなげるためのポイント)
6 体幹機能の評価(TCT,TIS)
運動器疾患
1 姿勢アライメントの評価
2 痛みの評価
3 人工関節置換術後の評価
4 整形外科的テスト(頸部~体幹)
5 整形外科的テスト(上肢)
6 整形外科的テスト(下肢)
内部障害
1 心肺運動負荷試験(CPX)
2 身体活動
3 6分間歩行試験,シャトルウォーキングテスト
神経筋疾患
1 小脳性運動失調の評価(SARA)
2 パーキンソン病の評価(UPDRS,Hoehn-Yahr 分類)
小児疾患
1 脳性麻痺の評価(GMFM,GMFCS)
2 小児における能力低下の評価(PEDI,WeeFIM)
がん
1 がんの評価
ADL
1 日常生活活動の評価(BI,FIM)
第5章 統合と解釈
1 ICF を活用した理学療法評価とは?
2 ボトムアップとトップダウンによる理学療法評価とは?
3 情報の統合と解釈はどのように行うのか?
4 プログラム立案までのプロセスと考察のまとめかた
5 レジメの作成に必要なICFの理解
第6章 事例報告の意義
事例報告の意義
中枢神経疾患
1 心不全のリスク管理が重要であった
重度片麻痺者に対する理学療法の経験
2 円背と変形性膝関節症を合併していたため
早期歩行プログラムの検討が必要であった急性期脳卒中の事例
3 脳卒中後うつ症状に対する動機づけと関わりかたが,
しているADLの改善に重要であった事例
4 若年の右片麻痺患者に対して脳画像所見を用いて
予後予測を行った理学療法の経験
5 ワレンベルグ症候群後の誤嚥性肺炎合併により全身状態が
悪化した事例に対して食事とトイレ歩行の獲得を目指した介入
6 Pusher 現象により車椅子座位姿勢の崩れが著しく,
ADL拡大に難渋した事例
7 脳卒中後重度片麻痺例に対して座位保持・移乗動作介助量の
軽減を目指した事例
8 認知機能障害を呈した事例に対する入浴動作自立へ向けた
行動変容アプローチ
9 麻痺側肩関節亜脱臼および肩関節痛を伴う重度運動麻痺に対して
積極的なアプローチにより上肢ADL が拡大した事例
10 全失語および右片麻痺患者の歩行再建にむけた取り組み
-強化学習を用いて座位保持・歩行動作の運動学習を促進した一事例
11 高齢対麻痺事例のADL向上にむけた回復期病棟における取り組み
12 注意障害や半側空間無視に対するアプローチによって,
座位でのADLが拡大した高齢片麻痺例
13 交通事故後に高次脳機能障害を呈した事例に対する
職場復帰へのアプローチ
14 腰痛により理学療法の方針転換が必要となった維持期両側片麻痺例
15 特別養護老人ホーム入所者における摂食のリスクマネジメントと
多職種連携を検討した事例
16 麻痺の回復を望む生活期片麻痺患者へ障害受容を促すとともに
生きがいである畑作業の再獲得を目指した事例
17 発症後6か月が経過した右片麻痺障害者のゴルフ復帰にむけた
理学療法士としての関わり
18 一人暮らしを続けるために必要な日常生活能力を
多職種連携によって高めた事例
19 脳腫瘍に伴い,右片麻痺と高次脳機能障害を呈した
長期的な在宅支援の実施例
運動器疾患
1 自覚的脚長差を呈した人工股関節全置換術術後患者に対する理学療法の経験
2 大腿骨転子部骨折術後,姿勢に注目し介入した結果,
早期歩行自立が可能となった事例
3 階段降段動作困難感に対して動作パターンを考慮しながら介入した
人工膝関節全置換術後の女性事例
4 半腱様筋腱を用いたACL再建術後事例
-腱採取部に着目した術後3か月までのリハビリテーション
5 ジョギング時の疼痛を呈したアキレス腱縫合術後患者に対する治療経験
-フットサル復帰にむけて
6 剣道復帰を目指した腱板広範囲断裂術後事例
7 特発性側弯症手術後の大学生に対する術後早期から復学までの
段階的な理学療法介入
8 発症早期より離床が開始され,自宅復帰した高齢脊椎圧迫骨折の事例
9 仮義足作成前の体幹・骨盤モビリティーの向上が
早期義足歩行自立を可能にした下腿切断の事例
10 左大腿転移性骨肉腫術後患者に対し,構造的要因と
心理的要因に着目した一例
11 変形性膝関節症患者(保存療法)の外側スラストに伴う
歩行時痛に対して,徒手療法を中心とする介入が有効であった事例
12 姿勢アライメントが肩関節周囲炎に影響していた事例
-Kaltenborn-Evjenth concept による評価を用いて
13 ダンス中に頸部痛を発症し,環軸椎亜脱臼と診断された
関節リウマチ患者に対する理学療法と日常生活指導の経験
14 骨アライメントから予後を予測しながら介入を進めた
橈骨遠位端骨折後の高齢女性事例
15 頸椎症に対し,職場での座位姿勢に注目して介入することで
改善に至った事例
16 腰痛を呈する妊婦への理学療法
17 バレエダンサーの脛骨内果後方部痛に対する治療経験
-足関節機能不全と片脚連続ジャンプ動作時の
骨盤アライメントに着目した事例
18 積極的保存療法により競技復帰を果たした投球肘障害の一例
19 高度脊柱変形を伴った利用者の参加制限に対し,
生活行為向上リハビリテーションを実施した結果と課題
内部障害
1 フィジカルアセスメントとBNPによる評価を行いながら
離床を進めた高齢心不全事例
2 急性大動脈解離術後に残存解離を認め,運動時の血圧管理に
難渋した事例への早期退院にむけた理学療法
3 具体的な目標設定により再発予防への意識を高めた心不全事例
4 社会復帰を目指した心不全患者に対する介入事例
5 心臓外科手術後に脳梗塞左上肢麻痺を発症後,作業療法士との
連携を強化し自宅復帰と仕事復帰を目指した事例
6 歩行速度改善に着目して介入したフレイルを呈する
高齢開心術後事例
7 訪問リハ医療連携にて運動機能を維持向上できた在宅療養COPDの事例
8 人工呼吸器装着中から早期リハビリテーションを開始し
ウィーニング・再挿管予防を達成した重症呼吸不全事例
9 合併症への対応と退院調整を要した特発性間質性肺炎の事例
10 糖尿病コントロールに難渋した虚血性心疾患事例
神経筋疾患
1 ギラン・バレー症候群を呈し歩行再建により独居が可能となった事例
2 歩行時の視覚情報処理に着目した介入により歩行能力の向上が得られた
脊髄小脳変性症事例
3 機能低下に伴い歩行介助方法を変化させた筋萎縮性側索硬化症患者に
対する理学療法の経験
4 異常姿勢と歩行中の身体認識にアプローチし加速歩行の改善を得た事例
小児疾患
1 体幹機能に着目した長期的な介入により歩行機能と
認知機能が改善した事例
2 屋内床上移動レベルの脳性麻痺児に対する選択的股関節筋解離術と
術後理学療法によって歩行を獲得した事例
3 NICU より早期介入した脳室内出血後水頭症の極低出生体重児
4 アテトーゼ型脳性麻痺児に対し就学にむけた環境調整を行い,
活動範囲が拡大した事例
5 脊柱変形の進行予防を中心に包括的アプローチを展開した
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの事例
がん
1 脊椎転移に対するリスク管理が重要であった対麻痺を呈した
がん患者の理学療法
2 術後の運動耐容能の改善に伴い退院後生活に対する自己効力感が
向上した肺がん事例
3 進行肝がんと転移性胸椎腫瘍に伴う対麻痺を呈し,
精神心理面に配慮して目標設定と介入を行った事例
4 移植前からの積極的理学療法により移植後も身体機能を維持できた
造血幹細胞移植事例
索引