皮膚病診療 40巻8号 (2018年8月)

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<症例のポイント>・ 隔壁性脂肪織炎を伴った結節性紅斑様皮疹を経験した.脂肪隔壁近傍に肉芽腫性炎症がみられたが,多くの肉芽腫は脂肪隔壁から離れた部位にみられた.・ 結節性紅斑様皮疹に隔壁性脂肪織炎を伴うことは少ないが,肉芽腫の有無のみで結節性紅斑と結節性紅斑様皮疹を容易に鑑別できないため,臨床所見や発症から生検までの期間を念頭に,病理組織を詳細に検討する必要があると考える.

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<症例のポイント>・ 前額にびまん性の紅斑,鼻尖部,耳垂部,手指背に紅斑,下顎部,鼻唇溝部,上肢に紅斑と粟粒大の丘疹が混在し,丘疹部の生検では表皮直下,毛包周囲に肉芽腫を形成していた.・ 皮疹の分布,性状から,びまん浸潤型,苔癬様型が重複した皮膚サルコイドと診断した.皮膚サルコイドの臨床病型が重複することも報告されており,重複例では苔癬様型を含むことが多い.大型の皮疹を含む重複例では他臓器病変を伴う場合も多く,ステロイド内服が必要になることもあるが,苔癬様型を含む場合はステロイド外用やミノサイクリンなどによる治療で皮疹は軽快しやすい.・ ロキシスロマイシンにトラニラスト,スプラタストトシル酸塩を追加して皮疹は軽快した.

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<症例のポイント>・ 片側の耳垂に生じたびまん浸潤型皮膚サルコイドーシスの症例は,本邦報告例では自験例のみであった.・ 自験例では両側ぶどう膜炎,両側肺門リンパ節腫脹がみられたが,肺症状はなかった.・ びまん浸潤型皮膚サルコイド̶シスでは,慢性進行性に経過する皮膚外病変,とくに肺病変が多いとの報告がある.定期的な経過観察が必要と考えられた.

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<症例のポイント>・ びまん浸潤型および皮下型皮膚サルコイド上に潰瘍が出現した.・ 鼻粘膜病変および口腔内潰瘍がみられた.・ プレドニゾロン(prednisolone:PSL)内服にて潰瘍は上皮化し,皮下型皮膚サルコイド,口腔内潰瘍,鼻粘膜病変も改善した.

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<症例のポイント>・ 頸部に巨大結節を呈したサルコイドーシスを経験した.・ プレドニゾロン内服にて結節は著明に縮小した.

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<症例のポイント>・ 酒皶との鑑別に難渋した皮膚サルコイドを経験した.・ サルコイドーシスの皮膚症状の1つに皮膚サルコイドがあり,多彩な皮膚症状をきたす.・ 皮膚サルコイドと酒皶は臨床像が似ることがあり,病理組織学的にはいずれもサルコイド型の肉芽腫を生じることがある.・ そのため,皮膚サルコイドと酒皶の鑑別はむずかしく,総合的な判断を要する.

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<症例のポイント>・ リポイド類壊死症と鑑別が困難な皮膚サルコイドーシスを経験した.・ 皮膚サルコイドーシスとリポイド類壊死症の合併例も報告されている.・ 組織のPAC3染色による抗PAB抗体陽性が鑑別に有用である.

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<症例のポイント>・ 心臓サルコイドーシスは心筋生検の組織診断率が20%と低く診断のむずかしい疾患である.・ 近年,サルコイドーシスの病変検索にFDGPETが用いられるようになった.・ われわれは確定診断に難渋していたが,FDG-PETで探索した心外病変(皮下組織,リンパ節)の病理組織学的所見より診断を確定した心臓サルコイドーシスの3例を経験した.

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<症例のポイント>・ 血清IgG4の上昇を認めたが,皮膚生検および他臓器の検査の結果,IgG4関連疾患は否定した.・ 皮膚生検で肉芽腫を認めサルコイドーシスと診断した.

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<症例のポイント>・ 臨床的に好酸球性蜂窩織炎との鑑別を要した,好酸球浸潤を認めたサルコイドーシスの1例を経験した.・ サルコイドーシスが蜂窩織炎様の臨床症状を呈した報告はなく,うっ滞性皮膚炎に皮下型のサルコイドーシスが合併し,蜂窩織炎様の臨床像を呈したと考えた.・ 肉芽腫病変形成にはTh1細胞が,好酸球浸潤にはTh2細胞の関与が考えられた.・ サルコイドーシスの病態形成は,種々の免疫機構により調整されているものと考えられる.

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<症例のポイント>・ 下腿潰瘍を呈したサルコイドーシスを報告した.・ サルコイドーシスの皮膚病変は発見契機や診断確定として重要である.・ 皮膚潰瘍の鑑別疾患にサルコイドーシスも考慮する必要がある.

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<症例のポイント>・ 苔癬様型皮膚サルコイドは,比較的まれなサルコイドーシスの皮膚病変である.・ 自験例は多発性の紅色小丘疹に加え,浸潤性紅斑,色素沈着,皮膚萎縮などの皮疹を伴っていた.・ 苔癬様型皮膚サルコイドは多様な皮疹を呈することがあり,その診断においては病歴や過去の治療歴を考慮したうえで,主体となる所見を十分検討することが重要である.

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<症例のポイント>・ 症例1は左頬部に紅色結節を認め,サルコイドーシスが疑われたため近医から当科紹介となった.呼吸器症状の悪化によりメトトレキサートが投与された.・ 症例2は右頬部に紅斑と紅斑の周囲に褐色調の環状局面を認め,当科を受診.局所治療に抵抗性であることと,合併症のためステロイドの内服を行うことができずメトトレキサートを投与した.・ 症例1では投与開始8カ月で,症例2では投与開始5カ月で皮膚症状は改善した.

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<症例のポイント>・ 眼瞼浮腫を主訴に来院し,眼瞼の皮膚生検所見,肺門リンパ節腫大,気管支鏡所見などからサルコイドーシスと診断した.・ 虹彩炎などの眼内病変はなく,眼窩MRIで涙腺,眼窩内,外眼筋に病変を認めなかった.・ 眼瞼浮腫の発症機序として,H-E染色とD2-40免疫染色の病理組織学的所見から,真皮中下層の類上皮細胞性肉芽腫によるリンパ管の圧排,閉塞が示唆された.・ 文献的検討により,眼瞼浮腫や腫脹を生じるサルコイドーシスでは,肉芽腫病変が眼瞼皮内,涙腺,眼窩内,外眼筋に存在する症例,および顔面神経麻痺など脳神経症状に伴い眼瞼浮腫を認める症例の報告があった.

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<症例のポイント>・ サルコイドーシスの診断後11年を経過してから皮膚病変が現れた症例を経験した.・ 11年前,胸部X線検査とCT検査所見によりサルコイドーシスと診断され,以後,内科にて経過観察されていた.・ 両上眼瞼は紅色に腫脹し,前額部,四肢に紅色丘疹とやや陥凹した紅斑が多発していた.

英文抄録

editorial

アトピー性皮膚炎今昔 山本 俊幸

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肉芽腫は組織に存在する外因性,内因性物質に対して単球・マクロファージ系細胞が反応して形成される.肉芽腫起因物質が一部の臓器に限局することもあれば全身に存在することもあり,また,その物質は感染性のことも非感染性のこともある.非感染性の皮膚限局型肉芽腫症として環状肉芽腫やリポイド類壊死症,異物肉芽腫などがあり,全身性肉芽腫症ではサルコイドーシスが代表的疾患である.これらの非感染性肉芽腫症に対して,真菌や抗酸菌などによる感染性の皮膚肉芽腫症もしばしば経験する.また,1つの肉芽腫性疾患でも,肉芽腫起因物質の質的・量的違いや生体の免疫反応の違いにより臨床像は大きく異なる.たとえばHansen病を例にとると,菌量と細胞性免疫の状態により,知覚障害を伴い病理組織学的にらい細胞が出現するらい腫型から,神経症状を伴わず類上皮細胞が出現する類結核型までさまざまな臨床像を呈する.(「はじめに」より)

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サルコイドーシスは人種差がある疾患で,皮膚サルコイドのタイプや頻度も国によって異なる.したがって,海外の論文に記載されていることがそのまま本邦人に当てはまるわけではないことを知っておくべきである.本邦においてもこれまでにいくつかの施設から,皮膚サルコイドのまとまった集計が出された.福島県立医科大学からも最近,皮膚サルコイド93例を集計したので,本邦人における臨床的特徴について私見を交えて述べる.(「はじめに」より)

蝶の博物詩

生態38 西山 茂夫

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平成30年4月28日,29日に仙台市,仙台国際センターにおいて第34回日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会を開催させていただきました.今回は,研究皮膚科学会,日本皮膚科学会総会と2年続けて仙台市で開催された大きな皮膚科関連の学会の翌年に開催された学会で,3回目でもあり当初は参加者が少ないのではないかと危惧されておりました.そこで,日本皮膚科学会ではできないような形の学会を開催しようと考えて東北6県の先生方に援助もお願いして準備を行いました.(「はじめに」より)

私の歩んだ道

私の履歴書 古川 福実
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生まれは広島県の西部,つまり昔風にいえば安芸国に位置する山県郡千代田町大字南方字出原という田舎です.戦国武将毛利元就の居城があった吉田町の近くです.1951年11月1日生まれです.卯年です(図1).かなり田舎で,川の水は,瀬戸内海ではなく江ノ川に合流して日本海に注ぎます.

皮心伝心

耳学問と目学問 福田 知雄

診察室の四季

夏雲 斉藤 隆三

皮膚科のトリビア

第158回 浅井 俊弥

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目次

編集後記・次号予告

基本情報

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皮膚病診療
40巻8号 (2018年8月)
電子版ISSN:2434-0340 印刷版ISSN:0387-7531 協和企画

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